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ありがとうの旅

旅の目的が、ここ最近ガラッと変わった。
コンクリートから人へ。
そんな標語を聞いたことがあるけれど、ほぼほぼその通りの変化であった。

この三連休は特にそれが顕著だった。

※以下、かなり長文。4,100字あります。
読み飛ばしたい方は目次から「まとめ」にとんでね

出会ったひとたち

今回の旅は、いつもの旅以上に人とのつながりやありがたみを感じた。

バスの乗務員さん

広島へは東京から夜行バスで向かった。
革のどでかいリュックをトランクに預ける時に、乗務員さんが「本革のいい鞄だね、気をつけとくね」と声をかけてくださった。

降車時にみたらリュックにブランケットかかってた!
心遣いが本当にありがたかったし、革のもとになった牛や革の生産者、鞄の作り手さんの想いも大切に扱ってもらえているようで嬉しかった。

右のコを預けてました。ゲストハウス1階にて

GHのお兄さん

広島着いてすぐにゲストハウスに向かった。
旅する時はだいたいドミトリーに泊まる。
今回のゲストハウスは1階がカフェ&共用スペースで、2階以上が客室になっているタイプだった。

1階にいる人に声をかけたら、荷物はここに置いてね、とか教えてくれた。「僕も利用者なんだけどね」の一言にびっくり。
聞くと、北海道出身でこのゲストハウスに長期滞在しているらしかった。

いろいろ教えてくれたり、その後も顔を合わせたらあいさつを交わしたり、認識してくれて交流できることが嬉しかったな。

GHのお姉さん

1階のキッチンで料理する女性がいた。
ペットボトルを捨てようとウロウロしてたら、にこやかに、ここだよ、と声をかけてくださった。

美味しそうな、しかし結構な量のクリームシチューを作っていたから聞いてみたら、仕事の関係で週5ここで生活しているとのことだった。とても話が弾んで、広島の街や市電のことについてたくさん教えてもらった。

もともと大阪の方らしく、このあと大阪に行くという話をしたら推しの餃子屋さんも教えてくれた。
南平っていうひとくち餃子の店。ビールがすすんじゃうやつらしい(今回は行けなかったから次は行きたい!)。

長期滞在なのと旅系のお仕事されてたのとで、ゲストハウスの掃除とかを手伝っているらしかった。チェックアウトの時は、いってらっしゃい、って声かけてくれた。
頼もしく、優しいお姉さんだった。

GHのお姉さん ふたりめ

ゲストハウスはそれぞれにオーナーの特徴が出ていて、ここは家電設備にもこだわってるみたいだった。バルミューダの電子レンジとトースターがあり、女性ドミにはパナソニックとダイソンのなんかいいドライヤーが置いてあった。

ダイソンのドライヤーにはマグネット式のアタッチメントが3種類あって、そのうちのひとつがシャンプーブラシみたいに幅広くて面白かった。
どんな風になるのか気になって起動してみたら全体にふわぁと行き渡る感じになってたんだけど、それよりも吸気口が手元のいちばん下にあるのに気づかずびっくりして「ふあ?!」って声出た。

そしたら並びの洗面台でメイクしてたお姉さんにくすっと笑われた。「いやどうなるんだろうなぁと思って!」とか謎の弁明をする私であった。ニコニコ可愛い方だった。
こういう時にさらっと声かけてくださるの、嬉しいな。

幅屋さん

ゆで時間20分という食べる方も本気にさせてくれる美味しいうどんを出す幅屋さん
もともと奥さんと仲良くさせてもらっていて、通販でも何度かいただいてたんだけど、どうしても旦那さんの茹でたうどんを食べてみたかった。
あと牡蠣。牡蠣天。
旬の牡蠣天。これな。
もはやこれを目的に今回の旅を決行したと言っても過言ではない。

ええ、最高でしたとも。

牡蠣天と白子天。薄くてサクサクの衣!
おうどん美味しい…。好きすぎる

お塩で食べるのも好き。
美味しいものはシンプルがいちばん。

夜はご自宅にお招きいただき、もうほんっとーにほんっとーに素敵な時間を過ごさせていただきました!
旦那さんの食にかける熱い思いがメラメラ伝わって、すごく楽しかった。自分をなくすことの話はすごく共感したし、本物の味はぼんやりしている、って話はもっとたくさんの人に知ってほしいな。
奥さんのイラストも好きで。擬人化かわいすぎるんだよね。

うどん擬人化!

お子さんたちとも仲良くなった。また来てねって言ってくれて可愛くてハートにドキュンでございました。うれしみ〜!

GHのお兄さん ふたりめ

ゲストハウスに戻ると、先程とは別のお兄さんが外で煙草ふかしてた。このお兄さんは市内をまわって1階でまったりしてる時に来た方で、事前情報何もなしに来た〜って言いながら共有スペースにある情報誌を眺めてた。
話の流れで住んでるとこを伝えたら、どうやら知り合いの店が近くにあるらしく「是非行ってやって!」と教えてくれた。
まさか広島で東京の情報を得るとは思わなくて笑った。ゲストハウスはこういうのがあるから面白い。

宿泊客のお兄さん同士で共有スペース酒盛りをしてたみたい。誘われたけど、たっくさん美味しいものいただいた後だったから必殺「行けたら行くわ」でご遠慮しといた。気持ちが嬉しかったな。

スタッフさんが帰るとナンバー錠になっていて、お兄さん忘れちゃったみたいだったから開けてあげた。
「Thank you, bro!」って言われたから「sisterやで」って返しといた。面白いお兄さんだった。

HERZさん

HERZ大阪店に行くのも楽しみにしていた。
大阪店の10周年記念鞄を持っていて、送られてきた時に入っていた手紙に「大阪来た時はぜひ」と書いてあったから、大阪いくならこの鞄だ!と持ってきた鞄。

ビルズバッグ。キャメル。

そのお手紙をいれてくれたビルズバッグ考案者のスタッフさんは異動されたそうで不在だったけれど、お話したお姉さんがほわほわ癒しオーラ出てて良かった。
大阪店の内装のこだわりとか語ってくれて嬉しかったな。HERZ推しという共通点があるからだろうか、謎の連帯感があった。喜。

カオルさん&マスター

YouTubeでは何度も一緒に配信させてもらってる川平カオルさん&マスター!
お会いするのははじめてだったけれど、全くそんな感じはせず。たくさんたくさんしゃべって美味しいものいただきました。

面白いしゃべりが止まらないカオルさんに、とん、とん、と優しい口調で言葉を打ってくるマスター。おふたりの空気感がなによりも美味しく、フラットにしあわせな気持ちになれた。ご馳走様です!!

超たのしい時間だった!

ホテルのスタッフさん

チェックアウトのとき、バレンタインが近いからとチョコをくれた。思いがけないプレゼントで嬉しくなった。
預けた荷物を取りに行った時も、1階のフリードリンクお好きにどうぞ、と声かけてくださった。ありがたかった。ほっこり。

関空で食べた

友人

広島のピースセンター行った時に、学生時代の友人に連絡していた。ここは日本近代建築の父・丹下健三の設計で、この巨匠の建築にきたことを伝えた。
建築の人間が見てるところってたぶん独特で、私の場合はコンクリート打ちっぱなしにされた柱・梁の型枠の跡や「す」などをガン見する傾向があり、彼女はそこらへんをわかってくれてるから安心して自分の建築癖をぶつけられる。

関空に行った時も写真送って盛り上がった。彼女は海外に行く際にわざわざ関空発の便にして見てきたそうだ。こちらはレンゾ・ピアノの設計。翼を授けられた感があって良かった。

上:広島平和記念資料館(ピースセンター)、下:関西空港

バレンタインだし作った!と、チョコチップスコーンの写真を送ってくれたり、彼女の日常も伝えてくれて嬉しかった。また地元帰った時は話したいな。

まとめ:スキマが生んだ感謝のきもち

旅の序盤、少し違和感があった。
今までの私の旅といえば、あの建築を見る!これも見たい!ここも行きたい!と欲張って予定を組んでいたし、時間による変化も見たかったからそれぞれの滞在時間が長く、いつも時間を気にしていた。

だから今回、休館していたとはいえピースセンター&原爆ドームを午前中の1時間足らずで満足したことに自分自身拍子抜けしていた。
今までと何かが違った。

一瞬、欲張りな自分が首をもたげたけれど、それも違うと思ったから「行きたいところを探す」のはやめた。違和感はあったけれど、流れに身を任せてみた。

そしたら、行った先々でゆったり楽しめるようになった。スキマ時間が生まれて、そこに人との交流が入り込んできた。
時間を気にして焦ってしまうことなく、目の前にいる人と今を楽しむ、ということができた。

人と関わるのが怖くて言葉の裏を読んでしまうところがあったけど、それを乗り越えたのだな、と感じた。人の行為や言葉を、まっすぐ受け取り喜べるようになった。嬉しいと感じるようになった。

自然に出てきた言葉は「ありがとう」という感謝。

たくさんありがとう

この旅で会った人だけではない。
その人に繋がるまでに出会った人、バスを作ってくれた人、路線企画してくれた人、ガソリン掘って精製して持ってきてくれた人、食材の生産者、それを育んだ自然、調味料作った人、海外食材のインポーターや海外の生産者、冷蔵庫作った人、旅できるだけのお給料をくれてる人、仕事をくれている人、休日をくれている人、こう思えるようになったきっかけをくれた人、広島という街、大阪という街、それに携わった人々、それぞれの人たちの親とご先祖さま、そして私の親とご先祖さま。

考えるとたくさんの人への感謝が尽きない。
いや、前から気付いていた。たくさんもらいすぎている自覚があったけれど、返し方がわからなくて無視していたんだ。

でもシンプルだった。
「ありがとう」でいいんだ。
受け取って、どこかで循環させていったらいいんだな。
そんなことを思った。

最後に

鬼長くなってしまった。
私にとっては大きな出来事だったから、記しておきたかった。

3/2-6にやる展示のテーマは
“ステレオメガネの旅”
まさに旅がメインの展示を前に、この経験と気づきを得て良かった。

展示、ぜひきてね。入場無料。
案内ハガキ送りますのでDMとかで連絡くださいませ。

読んでくださってありがとう。

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