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2023年4月の話

とても久しぶりにnoteを書く気になったのは、振り返ってみればこの4月が濃密な時間だったからだ。誰より自分のために、気づいたことを書き残していこうと思う。

最近の私

派遣切りを宣告されたのは2月末日のことだった。担当者からのいつもの更新確認のはずだったその電話で、4月末での契約終了が言い渡された。業績悪化に伴う人員整理。社歴の浅い数名が去ることになった。
正直なところ、その連絡で心躍ってしまった私はこの仕事が潮時だったのだろう。私の人生さらに面白くなるなあ、なんて思っていた。
まあそれも最初のうちで、数週間もすると自分が社会から要らないヤツ扱いされたのだという思いに駆られてちょっとしんどかった。
しかし、ネガティブなときは主語が大きくなりがちだ。『社会』ではなくて、ただその企業の今このタイミングに合わなかっただけ。コロナ直前に入社した新人の私を、コロナ禍の中でも雇い続けてくれたことには感謝しかない。

2ヶ月間の奔走

最初はいい機会だし占いで稼ごう、と考えていた。YouTubeの占いチャンネルはだいぶ前に更新がストップしていたけれど、まだいけると思っていたし、今でも需要はあると思っている。
ただ、私は“専業占い師”は向いていない。それがわかったのは久々に動画を数本投稿した反応からだった。変な人が多すぎたのだ。
インターネットの世界は想像を超えるほどの多種多様の人がいて、顔が見えないのをいいことによくわからない要求をしてくる人もいれば話が通じない人もいる。もちろんそういう人ばかりではないし、ある程度覚悟はしていたが、そのような人を相手に商いをしていくのは私の神経がもたないし必要以上に疑心暗鬼を生じてしまうと感じた。これを乗りこなすのは妖怪になる覚悟が必要だ。

せっかく派遣切りされたのだから、失業保険をもらってゆっくりしようかな、とも考えた。というか、これが当初の第一希望だった。
けれど、心が落ち着かなかった。本当に初月から失業手当出るのか?暫定で計算した金額をもらえるのか?その金額で生活できるのか?貯金は保つか?ブランク空いたら不利になるんじゃないか?実家には帰りたくない!いろんなことが駆け巡った。
様々なサイトで情報収集して計算し固定費等の見直しも行い、大丈夫だと頭では理解できていたんだけれど、どうしても拭い去れない根本的な不安のような何かがあった。

そんな中、何気なくこれまでの経験を活かせるような仕事を探していた。職場の人におすすめされて、とある派遣会社に登録した。
…なぜか決まってしまった。次が。
まあ決まってしまったものはしょうがない。そういう流れだったのだ。派遣だから時給なのだが、今までもらっていた分より上乗せして希望額を伝えたらそれで通った。そういう流れだったのだ。説明された仕事内容は私の今までの職、接客・事務・専門技術を統合したようなものだった。そういう流れだったのだ。新しい派遣先企業は私の経歴だと普通には勤められないところで、大きなものも作っており私もそれに携わっていくことになる。そういう流れだったのだ。うん、きっと。

内面の変化

この一連の出来事の中で、自分という人間と向き合い、一体全体どうしたいのか、どんな人生過ごしていきたいのか、問い、考えて、想いを巡らす時間が多くあった。
思い直すことがあったから書き留める。

「嫌いな人」がいてもいい

嫌なのは人ではなくその行為そのものだ、という部分は変わらない。けれど、私が感じた『嫌だ』という気持ちを抑圧するのは違う。嫌なものは嫌なのだ。嫌な行為をした人を敬遠するのは悪ではない。

自分との時間を優先してもいい

家族が多い中で育ってきたこともあり、自分以外の人間に対し配慮することやそれを強制されることが多かった。物理的にひとりになっても頭の中は“自分ではない誰か”のことを考えている、というのは当たり前だと思っていたのだがどうやら違ったらしい。手助けを必要とする誰かさんは、いま目の前にいない。わざわざ見つけ出さなくてもいい。奴隷にならなくていい。自分のために、自分の時間を使っていいのだ。

トロくさくてもいい

昔からトロい自覚があった。そう言われてきたからそう思い込んでいただけかも知れない。とにかくトロい自分が嫌だったし、いつもはやくしなきゃという焦りがあった。けれど、それで満足するのは誰かと考えた時、あほらしくなった。おそらく誰も満足などしない。私でさえも。むしろ私の焦りが周りに伝わってしまって混乱を招くことすらあった。申し訳ない限りだ。それなら私は私のペースで良い。トロくさくても、私が私なら。

最後に

新しい職が見つかりほっとしたのは確かだった。
文章半ばに書いた『どうしても拭い去れない根本的な不安のような何か』は、不安でもあるけれど、ただ単に複数人で仕事することが割と好きで、そういう類のひまつぶしが無くなるのは嫌だなあと思ったからかもしれない。
そして私の場合、何かひとつを極めたり専業でずっと続けるよりも、興味のあることを次々と楽しんでいくほうが向いている。新しい職で基盤を作ることを目標に、何かやりたいことがあればその都度、私なりのペースで取り組んでいきたい。
これからどうなるかわからないけれど、自分なりに面白おかしく過ごしていけたらなあと思う。

お読みいただきありがとうございました。

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