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それぞれの武道館公演で見えた現ハロプロ5グループの新しい方向性

1.この記事について

この記事は、普段はTwitterで好き放題に呟いている厄介在宅オタクの私が、今年4〜6月に行われたハロプロ所属5グループ(=モーニング娘。、アンジュルム、Juice=Juice、つばきファクトリー、BEYOOOOONDS)それぞれによる武道館公演のライブビューイングを観て色々と感じたことを、たまには短文ではなくまとまった文章で残しておこう!と思い立ち書き殴った駄文である。

2.最近は「平均化」されているように見えた各グループのコンセプト

今年の初め頃、私はこんなツイートをしていた。

このツイートにある「2015年頃」というのは、モーニング娘。に12期メンバー、スマイレージに3期メンバーが加入しアンジュルムに改名、カントリー・ガールズが結成された翌年で、ハロプロ研修生内にこぶしファクトリーとつばきファクトリーが結成された頃のこと。

この頃のハロプロの各グループにはそれぞれわかりやすいコンセプトがあった。

℃-uteは大御所グループとして抜群のパフォーマンスレベルを保ち、アンジュルムは脚が長くスタイルの良いメンバーばかりを集めて下剋上をテーマにした曲ばかりを歌っていたし、Juice=Juiceはオリメン5人で体制を固定し℃-uteの後継者のごとくパフォーマンスレベル(特に歌唱力)を高めていたし、カントリー・ガールズは背が低くひたすら可愛いメンバーたちがひたすら可愛い曲を歌い伝説の「うたちゃんフィーバー」を巻き起こしていたし、こぶしファクトリーは元気なイメージのメンバーを集めて力強いパフォーマンスを見せ、反対につばきファクトリーはおしとやかなイメージのメンバーを集めて可憐なパフォーマンスを見せていた。

唯一コンセプトがはっきりしなかったのはモーニング娘。くらいだったと思う。

しかし、最近はそんなコンセプトも曖昧になっており、アンジュルムの平均身長は各グループの中で最も低くなり、Juice=Juiceは怒涛のメンバーチェンジを繰り返しオリメンは植村あかりを残すのみとなり、℃-uteとカントリー・ガールズとこぶしファクトリーは解散し、つばきファクトリーには力強い歌声の新メンバーが4人も入った。

モーニング娘。は相変わらず特にはっきりしたコンセプトはなさそうだが、強いて言うなら「つんくの作った曲を歌うこと」にこだわっているようには感じるかな、くらい。

BEYOOOOONDSだけはコンセプトがはっきりしていて、寸劇や小芝居をまじえたパフォーマンスで独自路線を打ち出していたけど、他のグループは良くも悪くも互いに何人かずつメンバーを入れ替えても成り立ちそうな印象だった。

そんな中、ハロプロ所属の5グループそれぞれが武道館公演を開催することが発表されたのである。

3.『BEYOOOOOND1St CONCERT TOUR どんと来い! BE HAPPY! at BUDOOOOOKAN!!!!!!!!!!!!』 (4月25日)

まだメジャーデビューしていないOCHA NORMAを除けばハロプロの末っ子グループであるBEYOOOOONDS。

彼女たちにとっては初めてとなる武道館公演開催の報は、ハロヲタたちの間で大きな話題となっていた。

が、私は年々ハロプロへの興味が薄れており、盛り上がるハロヲタたちを横目で眺めているような状態だった。

最初はライブビューイングにすら行く気がなかったものの、なんとなく当日の昼に「ライブビューイングなら行けるなあ」と思いなんとなくチケットを予約しなんとなくライブビューイングを鑑賞することにしたのだった。

この日、BEYOOOOONDSの武道館公演を観たことが、自分の中のハロプロ熱を呼び覚ますきっかけになり、この記事を書くきっかけにもなろうとは、鑑賞前には予想できていなかった。

感想はとにかく「エモい」の一言で、笑いあり涙ありの素晴らしい公演だった。

公演終了後のツイートもはしゃぎ気味。

メジャーデビューシングルがオリコン1位獲得という華々しいスタートを飾ったBEYOOOOONDSだったが、その直後にコロナ禍に巻き込まれ、ライブツアー開催を発表しては中止、中野サンプラザ公演開催を発表しては中止と、辛酸を舐め続けることになった。

そんな彼女たちがやっとの思いでホールツアーを開催し武道館公演までも成功させたという事実だけでも泣けてしまうけど、そんなバックグラウンドを抜きにしてもとにかく完成度が高い公演だった。

そして、このレベルのパフォーマンスができる彼女たちにとっては、もはや「寸劇や小芝居をまじえたパフォーマンスでふざけた曲を歌うおもしろいグループ」的なコンセプトが邪魔になってしまっているのでは?とまで感じた。

4.『つばきファクトリー CONCERT TOUR〜PARADE 日本武道館スッペシャル〜』 (5月16日)

BEYOOOOONDSの次は、BEYOOOOONDSが結成されるまで末っ子グループだったつばきファクトリーの武道館公演。

公演後のツイートにもあるように、つばきファクトリーは一部のハロヲタから「ビジュアルのつばき」と呼ばれることもあるほど元々ビジュアルレベルが高いグループ。

ガチ恋系男ヲタとビジュアルにうるさい女ヲタからの支持は得ていたものの、いまいち人気が跳ねきらず、更には小片リサの脱退騒動などもあり不穏な雰囲気が漂っていたところに新メンバーとしてスキルメンを4人加入させて、一気に人気が跳ねた。

新メンバー加入直後に初の武道館公演を開催、そして今回が2回目の武道館公演。

私は割とビジュアル第一主義なところがあるので、実はハロヲタが持ち上げまくっていた新メンバー4人にそこまでピンときていなかったりしたのだけど、この公演を観たらさすがに高評価せざるを得なかった。

ツイートからもわかるように、新メンバーの中でも特に八木栞と福田真琳は典型的な「静止画より動画で輝くタイプのハロメン」で、そんな彼女たちの魅力を知ることができただけでも儲けものだった。

また、この公演は12人のフルメンバーが最初から最後まで出ずっぱりで、ソロコーナーやユニットコーナー無しで公演を成立させていたのもポイントだったと思う。

同じ12人グループのBEYOOOOONDSとの差別化もあったのかもしれないけど、「新しいつばきファクトリー」をしっかりとアピールしたいというのが一番の理由だったのかもしれない。

つばきファクトリーは、今までは歌う曲も「かよわい女の子が切ない恋愛をする」みたいな曲ばかりだったのが、新メンバーが加入してからは「そんな恋愛を捨てて力強く生きる」みたいな曲が増えて、明らかにイメージチェンジを図ろうとしているし、それについては私が指摘するまでもなくハロヲタ全員が感じていることだと思う。

個人的には、つばきファクトリーの女王・浅倉樹々が新メンバーに押されっぱなしのままで終わるはずがないと思っているので、彼女の更なる覚醒が楽しみだったりもする。

5.Juice=Juice CONCERT TOUR 〜terzo〜 FINAL 稲場愛香卒業スペシャル (5月30日)

Juice=Juiceは、武道館だけでなく横浜アリーナや代々木第一体育館など大箱公演は多数経験済のグループ。

なので、BEYOOOOONDSやつばきファクトリーと比較するとさすがに安定感は半端なかったけど、今回は稲場愛香の卒業公演ということで、後輩メンバーたちの必死感みたいなものがあって、それが絶妙に特別感を醸し出していた。

中でも一番目を惹かれたのが工藤由愛のパフォーマンス。

必死感というか、言葉を選ばずに書くならメンヘラ感みたいなものを常に纏ってパフォーマンスする姿が最高に良かった。

ツイートにもあるように、最近のJuice=Juiceは多分ハロプロの中でも特にメンバーチェンジが激しいグループとなっていて、世代交代の波についていけないハロヲタも多いと思う。

フォローしているハロヲタのツイートでもそういう意見はよく見るし、私自身も新メンバー(=有澤一華、入江里咲、江端妃咲)にはまだしっくりきていない部分がある。

そんな状態なのに、この記事を公開する今日の夜には更に新メンバーが加入するらしいし…

ただ、ここからは一旦メンバーチェンジのスピードは緩やかになって、またパフォーマンスレベルを上げる時期に入るのではないかと予想しているし、そう期待している。

オリメンの宮本佳林や高木紗友希や金澤朋子がいた時代がJuice=Juiceの「黄金期」であるなら、これからはJuice=Juiceの「プラチナ期」を目指すのだと信じたい。

少なくとも、この公演で私の目を奪い続けた工藤由愛とその同期の松永里愛はそのくらいの気概を持って活動しているように思うし、こぶしファクトリーでは不完全燃焼だったであろう井上玲音も相当の覚悟を持ってJuice=Juiceに加入したと思う。

6.アンジュルム CONCERT TOUR -The ANGERME- PERFECTION (6月15日)

お次はアンジュルム。

ツイートのとおり卒業も卒業発表もない武道館公演で、今のアンジュルムの全力のパフォーマンスが観られる最高の機会だった。

Juice=Juiceとは対照的に、アンジュルムは後輩メンバーたちが全く後輩メンバーらしくなく、先輩後輩関係なくグループ一丸となって戦っている感じがあった。

メンバー全員がたどり着いた女戦士感を醸し出していた。

最強スタイル軍団アンジュルムは、いつのまにか最強パフォーマンス軍団アンジュルムになっていた。

しきりに「私たちは個性的なんです!」とアピールしていた謎の時期より、よっぽどメンバーそれぞれの個性を感じることができた。

ソロコーナーでの松本わかなの『わたし』や橋迫鈴の『私を創るのは私』なんて、観ていたハロヲタ全員がグッときただろう。

佐々木莉佳子や上國料萌衣、伊勢鈴蘭が素晴らしかったのは言わずもがな、というか全員が素晴らしかった。

最高のリーダー・竹内朱莉がいる限りこのグループは大丈夫。

心配なのは彼女がいつまでいてくれるか、それだけである。

7.モーニング娘。'22 CONCERT TOUR 〜Never Been Better!〜 森戸知沙希卒業スペシャル (6月20日)

ラストのモーニング娘。は、森戸知沙希の卒業公演。

彼女はカントリー・ガールズ最後の生き残りでもあり、個人的には握手をしてもらった思い出もあったりして、なんだか感慨深い気持ちで鑑賞した。

個人的に、この公演で一番輝いていたのは牧野真莉愛。

北川莉央と山﨑愛生も良かったし、このグループにも今日の夜には新メンバーが加入するらしいので、もうそろそろ世代交代していってもいいんじゃないかと思ったりもする。

…なんて書くと、先輩メンバーを推しているハロヲタたちに怒られそうだけど、最近のモーニング娘。にはなんとなく閉塞感みたいなものを感じるのも事実。

アイドルグループって、安定感がありすぎると閉塞感に繋がってしまうのかもしれない。

8.各グループの新しい方向性

あくまで個人的意見ではあるが、それぞれの武道館公演から見えた各グループの新しい方向性についてまとめてみる。

まず、BEYOOOOONDSは、そろそろおふざけ路線を改めて正統派な曲やパフォーマンスを解禁してもいいんじゃないだろうか?

単純に、山﨑夢羽や島倉りかを抱えておいて正統派をやらないなんてもったいない。

とにかくスキルの高いメンバーを揃えているのだから、やってやれないことはない。

かつてのモーニング娘。が『Do it! Now』を発表した時のような衝撃がそろそろ欲しい。

つばきファクトリーは、力強いイメージにシフトしていっているが、従来のかよわいイメージが好きなハロヲタもたくさんいると思うので、それらを上手く両立させていってほしい。

また、新メンバーが加入したことで本格的に「加入と卒業を繰り返すグループ」の仲間入りを果たしたと思うが、先輩メンバーの卒業によってビジュアルレベルが下がるとせっかくのつばきファクトリーの良さが消えてしまうので、新メンバーのビジュアルレベル向上も早急にお願いしたいところ。

Juice=Juiceに関しては、やはりまずはパフォーマンスレベルの安定化。

あの最強のオリメンが揃っていた時代を超えるのは並大抵のことではないが、Juice=Juiceというグループに入ったからにはパフォーマンススキルを上げることはもう義務のようなものなので、全員で「プラチナ期」を築き上げてほしい。

ただ、江端妃咲のようなアイドル性の高いメンバーを入れたからには、スキル至上主義に走りすぎず、良い意味でアイドルっぽいグループに変容していくのもひとつの道なのかなという気はする。

そう考えると、目指すべきは「プラチナ期」よりむしろ「青空期」なのかもしれない。

アンジュルムは、もうこのまま突っ走ってほしい。

竹内朱莉のリーダーシップのもと、それぞれのメンバーが自由に個性を発揮できている今が素晴らしい。

アンジュルムらしさとは、無理にはしゃいだり元気に振る舞ったりすることではなく、それぞれがのびのびと楽しみながら活動することであってほしい。

モーニング娘。は、とにもかくにもやっぱり世代交代。

メンバーチェンジをしろというより、パフォーマンスの中心になるメンバーをいろいろと試してほしい。

以上、思いつくままに書き殴った文章で、途中から何を書いているのやらわからない状態になってしまったが、自分の備忘録として残しておこうと思う。

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