【あとがき】それは、幸福の名のもとに空から降りてきて

 こちらの作品でBL合戦夏の陣に参加させていただきました。公募作品につき、エブリスタ様でしか公開しておりません。会員でなくても読めますので、もし興味ある方は、こちらからどうぞ。
 以前の記事『【公募】某所のBL合戦の話。』を読んで頂けると盛大な前フリかよっていう面白い感じになります。いえ、このときは、本当に夏の陣は参加する予定はなかったんですよ、ほんと(言い訳、乙)

 よし、書こうと思ったのが二週間前で、作品の執筆時間は神速だったんですが(もう二度と無理だよ)もともと構想自体は、以前から考えていて、ただ自分がいつ書けるだろうか、どこで発表するのが最適だろうか、と迷ってました。ぶっちゃけ文字数をもう少し使いたかったというのが、心残りですけど、主軸の話に関係のないエピソードばかりなので、書かなかったことが吉と出るか、凶と出るか、です。

 私が以前から気になっていたことは、世の中にあるオメガバース作品は、必ずオメガバースによって幸せになる前提だということです。最初に、オメガバースを発見した人は?自分がオメガだとわかった人の気持ちは?という感じで混乱したと思うんです。そういった、はじまりの話を書いてみたかったんです。はじまりの頃って、みんなどうしたらいいかわからないから、噂や憶測だけが先行するし、し、オメガバースを悪用する人もいたかもしれないし、とにかく大混乱になる。間違いなく、オメガは最下層の扱いになっただろうし。オメガに生まれたことで苦しんだかもしれない。そんな時代と某大予言の有名な一節をひっかけてみたんです。時代が時代なら、男同士の恋愛を秘めたまま、ひっそり幸せになれたかもしれない二人が、オメガバースによって引き裂かれ、オメガバースによってつながりが深まる。それが最大のテーマでした。

※以下、ネタバレを含みます※

 私が尊敬する書き手の友人たちに、このお話のプロットを相談してもらった忠告は以下でした。
・キャラを魅力的にすること。特に攻めキャラをかっこよくすること。
・ハッピーエンドの概念が読み手によってブレないようにすること。
・子供の扱いを共感できるようにすること(そのときは、施設に預ける結末だったので)
 私の友人たち、容赦ないでしょ?(笑)ダメなときはダメって言ってくれる人たちですから。
 そして、アドバイスのあとで、それができるなら書くべきってジャッジしてくれたんです。それぞれ、ちゃんと忠告通りになっているかは、読む方に判断を任せますが…

 そして、久しぶりに書いていてキャラが走ってしまった、という経験をしましたね。最初は子供を施設に預ける予定でしたが、最後に出てきた向井夫婦が養子に欲しいと言ってくれました。これは、夢中で書いてて「ん?どういうこと?」ってなりました(笑)
 頭の中で思い浮かんだ情景を文字にしているんですが、向井先生から「水くさい」って怒られたのは、私も、真人もです(笑)二人ですみません、ってなりました(笑)

 あと、キャサリンですよ。あいつ、なんなんですか……(笑)まったくのモブキャラだったのに、面白いやつだな!!!たまに、モブが仕事することありますけど、ここまで濃密なキャラになるとは! 

 でも話の中で、オメガバースの成功例は欲しかったんです。ちゃんとオメガバースで幸せになったという前駆者が。いい意味で、清史……あ、キャサリンが真人のお兄…お姉さんになってくれた気がします。甘えていい存在ができたことで、真人はいい環境に恵まれました。オメガバースの優しい世界ですね。これで私は、真人と翔太郎はいつか二人で暮らせる世の中が来るのを楽しみにしている、とひとつの幸せなエンドを作ることができました。

 というわけで、ずっと悩んでいたんですが、私も引き続き、秋の陣もオメガバースでいきます。とても魅力的な絵を描く絵師様、どちらかといえば戦友である友達に表紙をお願いしてしまいました。その友達の絵に中身が負けるわけにはいかないので、頑張ります。

今度も、目指すはてっぺんです。
書籍化して、本として残したいと思える作品を書きます。

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