バージェスの頁の終わりに
むかしむかし、世界がまだ大きな水玉だった時のお話です。
空気は毒を含み、まだいきものたちが母の揺籠を出ていなかった時。
北極にほどちかい、浅い海に二匹のいきものが住んでいました。いきものは平たい白魚のような見た目で、つのが二本あり、頭から爪先までのひらひらとした鰭を持っています。
二人は名前を、ハイコウイクティスとグラシレンスといいました。グラシレンスは仲間内でも特に美しいことで有名で、つのは二本とも均等に綺麗に生え揃い、その体は白く艶やかで陽の光を七色に反射して輝きます