2022年株式投資の勝ち方②
FRBの資産縮小恐れるなかれ。
米国株への投資家が今一番恐れている事は、既に織り込んでいる緩和縮小から利上げへのプロセスではなく、その後あるいは途中に登場する引き締め(FRBの資産縮小)政策です。ダウはリーマンショック(2008年9月)後のダメ押し底(2009年3月)から5.6倍になる大相場を成し遂げました。勿論過去形ではなく、まだその大相場の途中ですが、さすがに今はバブル段階に入っているとの意見が多くなっています。そのバブル相場(?)を支えているのがFRBの資金供給による「カネ余り」です。FRBが供給した資金は「FRBのバランスシート」として現れ、その額は8.5兆ドル(約1000兆円)と過去最高水準になっています。この資産を縮小すると言う事は、株高の1つの前提を崩すことになり、買い方投資家が恐れるのは当然です。
しかし先週、ニューヨーク連銀幹部のローリー・ローガン氏が、FRBのバランスシート縮小について、前回(2017年)の資産縮小時に採用した手法が今回も役に立つとの見方を示しました。ローガン氏はニューヨーク連銀の「システム公開市場勘定(SOMA)」を管理するプロ中のプロで、FRBは資産売却はせず、今行っている「償還債券の再投資」を、債券償還で得た資金の一部を再投資しないことで、バランスシートを縮小すべきと言っています。この手法は「資産売却」ではありませんの、市場に与えるダメージは少なくなります。特に2017年の手法は、月500億ドルの縮小額へ、100億ドルから少しずつ1年をかけて増やし、その後は500億ドルを維持していくと言うものでした。結果は、資産縮小がスタートした2017年10月の月中平均ダウ約1万8000ドルは2019年初めには2万6000ドル近くまで上昇しています。つまり、上手くコントロールすれば株高とFRBの資産縮小が並走出来ると言う事です。FRBの資産縮小イコール米国相場の終わりではないと言う事です。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?