ちくわの恩返し
むかしむかし、ある国に、
4人の娘たちが仲良く暮らしていました。
娘たちはいつも歌を歌い、踊り、笑いあい、旅をしたり、おいしいご飯を食べたり、
それはそれはとてもしあわせな暮らしでした。
そんなある日、娘のうちの1人が
他の国へ行くと言い出しました。
そこにはまだ見たことのないような宝物があるというのです。
娘たちはとても悲しみましたが、
宝物を探しに行く勇敢な仲間を笑顔で送り出しました。
そう言って娘は旅立って行きました。
それからしばらくして、
娘たちのもとへ、
1人の娘が訪ねて来ました。
その娘は自分のことを「ちくわ」と呼ぶ、
すこし不思議な娘でした。
ちくわはまだ少しどきどきしていましたが、
4人の娘たちはすぐに仲良くなって、
一緒に遊ぶようになりました。
いろんなところへ一緒に行きました。
たくさん新しい歌も覚えました。
たくさんの季節を過ごしました。
春、夏、秋、冬。
春、夏、秋、冬。
たくさんの景色をともに見てきました。
たくさんの思い出ができました。
楽しいことばかりじゃなかったけれど、
涙したこともあったけれど、
思い出すのはなぜか楽しい思い出ばかりでした。
やがて、小さかったちくわも立派な大人になりました。
たくさん楽しい時間を過ごしたこの国を出ていくのは、
そして娘たちと離ればなれになるのは、
とても寂しい気持ちでしたが、
ちくわはぜったいに泣かないと決めていました。
これから、ちくわは娘たちが優しくしてくれたことへの、恩返しをしていくのです。
その恩返しの輪が、
ちくわの笑顔とともに、
世界中に広がっていくのでしょう。
優しくてあたたかい世界に。
お気持ちだけで十分嬉しいですけれども、もしサポートしていただけましたら 我が家のかけがえのないにゃんこの命を守るために大切に使わせていただきたく存じます🐱(*^^*)