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『国会話法の正体 政界に巣くう怪しいレトリック』|藤井青銅【一部公開】
2022年12月22日に、藤井青銅 著『国会話法の正体 政界に巣くう怪しいレトリック』が配本となります。
古くは「ロッキード」、最近の「モリカケ・桜」、直近なら三人の閣僚の相次ぐ辞任(更迭)などに顕著な政治家・官僚たちの「思慮に欠ける発言」「誠意なき言葉」の数々……。これでもまだ氷山の一角と言えるくらい、説明責任を放棄したような「国会話法」――すなわち「ごまかし」「論点ずらし」「何がなんでも非を認めない」発言――は政界にはびこっています。まるで、国民があきれて物申す気を失うことを狙っているかのようにも思えるほどですが、そこであきらめてしまってはそれこそ権力者たちの思うツボ。
本書は、数々の「国会話法」をいくつものパターンに分類、構文解析図として可視化することで、権力者たちの発言に潜んでいる「ホンネ」をあぶり出していきます。
もちろん政治に「誠意」だけを求めるのは、あまりに理想論かもしれません。でも、理想を掲げずに現状追認をし続ければ、いつの間にか引き返せなくなる――そんなことがないようにするには「国会話法」を見逃してはいけない、という思いから書かれた本書の一部を特別に公開します(本書の雰囲気をお伝えするために、誌面そのものの画像を掲載しております)。
「第一章 国会話法の構文解析」より
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「国会話法の正体」目次
はじめに~いつか見た再放送
第一章 国会話法の構文解析
1 逃げ道用意型 「記憶にございません」~キング・オブ・ごまかし
2 謝罪偽装型「遺憾である」~はたして謝っているのか?
3 とすれば型「誤解を招いたとすればお詫び申し上げたい」~「事実」を
「仮定」に
4 門前払い型1「批判はあたらない」~拒絶のトライアングル
5 門前払い型2「仮定の話にはお答えできない」~それでは未来は語れな
い
6 門前払い型3「詳細は承知していない」~承知しなさい!
7 勝手に控える型 「お答えを差し控えさせていただく」~控えなくてよい
8 あたり前型「丁寧に説明していきたい」~何も言わない、しない
9 ポエム型「政治とは結果責任」~理屈がないとポエムになる
第二章 国会周辺話法の構文解析
1 あたり前型(マスメディア編)「あってはならないこと」~前から危惧
していた……のか?
2 希釈・還元型「大半はちゃんとしている」~そしてチャラにする
3 私はわかっている型「選びたい人がいない」~何もしない理由がほしい
4 錯覚型「政治を持ち込むな」~食い合わせとの共通点
5 批判封じ込め型「野党は批判ばかり」~批判は悪いことなのか?
6 悪口冷笑型「マスゴミ」~冷笑することで自分を守る
第三章 煙に巻くテクニック
1 物量作戦~大声で何度も言う
2 虫眼鏡作戦~小さな文字でびっしり書く
3 隠密作戦~目立たない所にそっと出しておく
4 粘着質作戦~しつこくいやがられることが大事
5 悪文作戦~悪文には意味がある
6 難解作戦~カタカナとSDI略語
7 権威作戦~引用と煩雑
8 続・粘着質作戦~うんざりされても気にしない
9 ジャーゴン作戦~排他性と解説役
10 あと出し作戦~訂正は目立たずに
巻末付録 ショーアップ国会中継
あとがき~「国会話法」を捕まえろ!
著者紹介
藤井青銅(ふじい・せいどう) 第1回「星新一ショートショート・コンテスト」入賞。これを機に作家・脚本家・放送作家となる。ラジオドラマは「FMシアター」「青春アドベンチャー」(NHKFM)など多数。「オールナイトニッポン」の構成も手がける。過去には腹話術師・いっこく堂の脚本・演出・プロデュースを担当。現在、落語家・柳家花緑に、47都道府県の新作落語を書き下ろす「d47落語会」プロジェクトが進行中。著書には、『一千一ギガ物語』『ハリウッド・リメイク桃太郎 「グランパ、グランマ。ぼく、悪い奴らを退治してきます!」』『一芸を究めない』などのエンタメ系、『東洋一の本』『一日で一気に学ぶ超日本史』『「日本の伝統」の正体』『「日本の伝統」という幻想』『教養としての「国名の正体」』などの歴史社会系がある。