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E-mo リメイク間違い探し

こんばんは。バーチャルクリエイターの柏葉くるみです。

今まではclusterワールドクリエイターとして活動していましたが、今回初めてVRChatの方にてワールドを投稿しました!

VRChatでワールドを投稿しようと考えた経緯は置いておいて、今回は2年前にcluster向けに作成したゲームワールド『E-mo』をリメイクするという形で作成しました。

本来の予定では移植という形で投稿する予定でした。が、2年前のワールドということもあり気になった部分を手あたり次第改修していった結果、移植ではなくリメイクというワードの方が近くなりました。

今回のこの記事では、そんな改良が多数入ったE-moの改修点をいくつか紹介していきたいと思います。

記事タイトル通り間違い探しで遊んでもよし作成済みのワールドの調整に参考にしてもよしと思います。それでは本編どうぞ!

尚、今回行ったほとんどの調整はVRChatだけでなくclusterでも実践可能な変更となっています。

ワールド情報

本記事は『E-mo』のネタバレを含みます。ストーリー系のゲームですので、是非先に遊んでみてください!

cluster版(2019年作成)

VRChat版(2022年作成,リメイク)


サムネが変わった

発見難易度★☆☆☆☆

写真付きでワールドが分かりやすく!

分かりやすく変わりました。ロゴはカタカナ表記を削除して使用しています。

内部の写真が使われていないサムネのワールドは安心感が大分薄れる印象があったので、今回のリメイク版は写真を使ったサムネに変更してあります。

影が追加された

発見難易度★☆☆☆☆

大分自然な雰囲気に!

影や光が追加されました。先日Bakeryという、影を高速&高品質にベイクするアセットを導入しました。今回初めて使用しましたが、ライティング作業が圧倒的に高速になりました。

まだclusterワールドで実践はしていないのですが、これだけ高速だとゲームジャムのような短い制作でも問題なく使用が出来るかと思います。

UIが消滅した

発見難易度★☆☆☆☆

ちゃんとノートを開いているっぽい感じ

UIを消して、ワールド内のオブジェクトで代用する形にしました。

E-moはUIの使用を抑え、空間内に自然に存在しうる表現方法に留めるというのがコンセプトの1つだったので、今回のアップデートでそのコンセプトに更に合った演出になりました。

具体的な変更点は『①ノートの内容が直接ノートに表示されるようになった』『②ジュースが3Dの缶に溜まるようになった』の2つです。

制作後VRとデスクトップで挙動を変えられる事が判明したので、今後手の位置は調整しようかなと思います。

ノートが黒板に集められるようになった

発見難易度★☆☆☆☆

cluster版は、読んだ本が元の場所に戻る仕様

ノートを集めてくださいという表記に合わせるように、読んだノートが1か所に集まるようになりました。これで溜まったジュースを見ていなくても、目標が達成しているかが分かるようになりましたね。

また、読み終えたノートがどれか分からなくなるということも抑えられます。

『哀』でワープ先を分かりやすくした

発見難易度★★☆☆☆

ビーム!

twitterでエゴサしていても『哀』で詰まる方が多いように見られたので、やりやすさを向上させる為に分かりやすくしました。

難しいゲームとやりにくいゲームは違う。「ジャンケットバンク」という漫画にてとある人物のセリフでありましたが、ゲーム制作時には気にしながら作成しています。

…尚、分かりやすくなっても、無暗にワープしているだけでは突破は難しくなっています。やはり3Dパズルゲームは難しい

落下アニメーションを追加した

発見難易度★★☆☆☆

スクショだと分かりにくいですね

どぼーん!今回追加した要素の中でも、個人的に好きな演出です。

落ちた際にフェードアウトして、気づいたら初期位置に戻っている…という演出です。ドボーンという音、水テクスチャを裏に貼る…という工夫で、『海に落ちたんだな』というのが分かりやすくなりました。

ワープに暗転を実装したりしなかったりした

発見難易度★★☆☆☆

スクショだと分かりにくいですね V2

ワープする際、すぐにワープするのではなく「暗転」→「ワープする」→「明転」というステップを踏むようにしました。

尚、意識空間への導入は「ジュースの世界に入る」感を強くする為、あえて暗転を挟まなくしています。これにて、ジュースをタッチする事とワープの繋がりを強固にしています。

オブジェクトの配置を変更した

発見難易度★★☆☆☆

ジャンプが生きる配置に。

写真の場所は扉の角度が悪く、VRChatだとジャンプが出来ないバグがありました。角度をズラすついでに、高さを変更しジャンプギミックが必要な配置となりました。

今回のE-moはあくまでもリメイクという立ち位置なので、オブジェクトの配置はなるべく変更していません。ノートの文は完全に元のままです。

バグ配置を極力減らした

発見難易度★★☆☆☆~★★★★★

大体の人は手前の椅子のバグに目が向き右にある椅子の修正に気が付かない

ところどころバグっていた配置を直しました。特に浮いてしまっているオブジェクトや逆に埋まっているオブジェクトの修正がメインとなっています。

影をベイクしたおかげで、こういったバグオブジェクトの発見が探しやすくなりました。

尚、修正ポイントは大量にあるので、全部見つけるのは相当大変です。私も大部分忘れました。

裏面が描画されていないオブジェクトの対策をした

発見難易度★★★☆☆

裏から見るとほぼ見えないオブジェクトが結構ありました

アセットの配置を変更してワールドを作る際にあるあるなバグを対処しました。雑ではありますが、同じオブジェクトを裏に配置して対処しています。

リフレクションプローブをしっかり導入した

発見難易度★★★☆☆

覚えていませんが、恐らくMetaric等の値も調整したはず

cluster版では反射が雑だったので、しっかり導入しました。というかベイクが出来てなかったので設置するだけして放置していた状態でした…

リフレクションプローブは、意識空間のライティングにも活用されています。赤い空間ならオブジェクトもほんのり赤くなるように設定されているのはリフレクションプローブのおかげです。最後の空間でも、能力変更に合わせてリフレクションプローブが変更されるようになっています。

最後のノートを「使う」から「持つ」にした

発見難易度★★★☆☆

精神世界4つの最後に置いてあるノートです
(clusterではInteract出来るアイテムがオレンジ枠になります)

こちらはVRChat向けの調整です。

clusterではオブジェクトに近づいた際に、枠の色で持てるかどうかの判別が付きますが、VRChatでは枠線が同じです。前半の演出でノート=持つものとして使用しているので、ここではノートを持つとワープするように変更がされています。

『怒』で破壊できるオブジェクトを若干分かりやすくした

発見難易度★★★★☆

破壊できる右の扉は斜めっていますね

ベイクで壊せないオブジェクトに影が出来るようになったので、それに合わせて壊せるオブジェクトの配置を見直しました。

写真の場所は特に影がない事が違和感になってしまうので、斜めにする事により配置から違和感を演出する事にしました。違和感を隠すには違和感の中…少しは誤魔化せたのではないかなと思います。

ちなみに、制作時は破壊できるオブジェクトを赤くするという案がありました。

この写真は没になったサムネ用写真です
奥に赤いオブジェクトが浮いていますね

モーションブラーが無くなった

発見難易度★★★★☆

マウスをぶんぶんしてスクショ取りました。

VRに不向きなので削除しました。エモさにブラーは不可欠ではない

意識空間が立方体から球体になった

発見難易度★★★★★

角が無くなったのですよ…分かりにくいですけど…

そろそろ肉眼で見つけるのが大変な次元の間違いになってきました。

外から見るとこんな感じ。
法線が逆なので外から内部のオブジェクトが見える

簡単に技術解説をします。3Dオブジェクトの面には向きがあり、裏側から見ても描画されないようになっています。そこで、Blenderを用い球体を作成し、面の向きを逆にして使用しました。

面が逆な球体の制作方法
①Blenderを開く
②立方体を削除
③shift+A→メッシュ→UV球
④球体を選択した後、Tabキーでオブジェクトモードを編集モードに
⑤編集モードの右にある3つのボタンの内一番右のボタンを押し面選択モードに
⑥Aキーで全ての面を選択
⑦左上の「メッシュ」→「ノーマル」→「反転」
⑧FBXでエクスポート CameraとLightは事前に消しておくとよい

デスポーン場所が地表付近になった

発見難易度★★★★★

スクショだと分かりにくいですね V3

意識空間で落ちた際、戻される場所が空中から地表付近になりました。

狙いとしては『楽』で前入力を続けていた場合に連続で落ちるのを防ぐ事です。実装したところ、落下アニメーションとの相性が良かったのもプラスポイントです。1つを修正したら別の要素とかみ合って良くなるというのは嬉しい誤算ですよね。大抵の場合はかみ合わず頭を抱えることになるのですが。

とある場所のショートカットを制限した

発見難易度★★★★★

露骨コライダー

ゲームにおけるある程度のズルは許容するべきですが、最後の空間だけは絶対に全部使ってほしいという気持ちがありました。

ここに関しては『喜』『楽』でショートカットが出来てしまいそうなポイントだったので、無理やり対策しました。

…横にも伸ばすべきかな…

感想

新しいプラットフォームでの制作だったので、想定外が想定より多く時間がかかってしまいました。が、その分完成度もかなり高くなったかなと思います。

今回は初めてのVRChatワールド制作(?)記事でした。来年は幅広く表現手段を学び、「clusterじゃないとダメだからclusterを使う」「VRChatじゃないとダメだからVRChatを使う」…という風なモチベーションで物を作れるようなクリエイターになりたいなというのが目標です。

それでは、また次回お会いしましょう!

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