多神教の神様だって、数をこなしただけの凡人だったんだ。
天才のインスピレーションって、神様のギフトとされてるけど、実際のところ、どこの誰のギフトなんだろう?
これね、実は元ネタは、名前も知られず、ひっそりと日常を暮らすどこかの凡人の実際の生活のスライスだったりするんだよね。
天才たちは、遠く離れた見ず知らずの人の生活を感じ取れるんよな。天才本人も、知らん人のお話なので、フィクションと感じる。
そして、そんな超能力みたいなテレパシーは、みんな持ってるんだよ。
ただ、当たり前だけど、生まれて数年の人より、生まれてからずっと生きてきた大人の方が、昔話の持ちネタは多いんだ。
そう、地球に住む人の持ちネタは、人それぞれ違う。
だから、テレパシーの採用数もちがう。
つんく♂さんは、とにかく最初は数をこなせと書いてる。
無意識に人に持ちネタ提供する側もそうで、とにかく数をこなしてきたから、人に昔話をネタとしてテレパシーで提供できるだけなんだ。
どのくらい数をこなしているのかっていうと、そこいらへんにいる人の持ちネタの平均値が人間の人生50回分だとしたら、神様として神社建ってる人たちは平均8万回分の人生をこなしている。一番多い人で10万回をこえている。
なので、無意識のところで創作の元ネタを世界中のいろんな人におすそ分けしたとしても、本人はネタ切れしないのだ。
こうやって、「他の人の無意識から受け取った昔話の一発ウケるネタ」ってのは、実はフランチャイズなんだ。
コンビニとかソフトバンクショップとか、みんなそれっぽいやん。
だけど、9割のお店の中身は、ただ運営本部から「名前つかっていいよ」って言われてるだけで、本部との契約が切れたら、閉店せざるを得ない身。
だから、天才の創作は安定しない。
ここで言いたいのは、やりたいときにやる、やりたくないときにやらないというより、やれなくなる理由が、「アイデアの源そのものがフランチャイズ契約だからなんだ」ってこと。
それとは別に、コンビニにしても、ソフトバンクショップにしても、直営店ってあるよね。
ソフトバンクショップの直営店は銀座にある。あと、グランフロント大阪とかな。だから、スマホ壊れたら、近くのフランチャイズのお店に持っていくけど、結局は直営店に送りつけていたりするでしょう?なので、直営店に足を運べるのなら、直営店のほうが融通きいたりもすることもあるわけで。
もちろん、アイデアの源にあたる人間にも、この直営店にあたる存在が世界の片隅にいる。
創作アイデアの本部の役割をする無意識の魂、直営の人間が居るんだよ。今も8万回だか9万回だか10万回だかの人生カウンターを回して、創作の元ネタ製造している。
彼ら直営店的な存在からすれば、不思議なファンタジー小説ですら、実は遠い昔の自分をモデルにしたエッセイ小説を書いたにすぎなかったりもする。
ただ、昔の話が、あまりにもひどすぎて、あんまり自分ではうまく話せないでいることもある。
プロの人の創作が続く理由が、きちんと理論やパターンを勉強してきたからで、プロの人の創作が行き詰まる理由が、放送倫理などで言ってはいけないことが多すぎるからって理由と同じことがここでも起きるんだ。
(これを言えばウケるだろうなぁ)というのを、自分でセーブしちゃうんだよね。子どもの頃の天才が凡人になる過程と同じことを経験するわけさ。
これは余談だけど、どこの誰からフランチャイズでネタを受け取ったのか、慣れると、作風で見分けつくこともある。
私の無意識からネタを受け取った場合は、「ネタが比較的長い」「気の強い女の子が主役」という特徴がある。私の作風の特徴がそのまんま出ちゃうわけだね。
男性が主役バージョンもネタとしてはあるけど……その場合は、男性のわりには、家のことが出来るキャラとか、ちょっと女々しかったりするパターン。
まぁ、私が自分で読むと(見覚えあるよーな気がするんだけど)という感覚が生まれるね。
で、ヘルメス神の入れ知恵による創作物は、だいたい「比喩表現がやたらと多い」「一見とっつきやすい文体(画風)なのに、よくよく読むと、ところどころ難解だ」という特徴がある。
これはこれで、惹き込まれる不思議な魅力のあるお話に仕上がっていたりするので、好みの問題やね。
そもそもヘルメス本人の基本の作風がそうなんだから、まぁそうなるよなって話ではある。ちなみに執筆者がヘルメス本人だったら、時代や目的や読ませるターゲットによって器用に言い回しや文体や作風を変えてくることもよくあるよ。フランチャイズだと、そこまで器用ではないというだけの話かと思う。
で、アポロン神の入れ知恵で出来た創作物は「ところどころ謎に予言めいてる」「もったいぶった文体」「独特のリズム感」「何より、実際伏線回収されると意味が斜め上」が特徴な気はする。
(そうくるの?そうきちゃうの?)という意外性のある創作物の入れ知恵が得意っぽいね。
ゼウスさまの入れ知恵の創作物は「全体的にギャグっぽい」「女の子に軽くセクハラしている」というのがある。本人の女好きエピソードそのまま。
クロノスさまの入れ知恵なら「煽り芸」「真面目な文体」というのが特徴かなぁと。
結局(クロノス様すげぇ)しか言いたいことが無さそうな文章を煽りつつ書かせているようなカンジ。
ヘパイストス神の入れ知恵の創作物は「文体に独特のとっつきにくさがある」「よく読むと、なんかすげぇこと言ってるみたいだ」という特徴がある。
やっぱりこれ、本人が書いた文体に似てくるんだわ。
だから、フランチャイズで創作ネタを分ける先も、元ネタの人間と似たような性質をもってる人間が選ばれる。
結局、数をこなすこともせやし、数をこなすために、たくさんのことを吸収する必要があるんだよな。
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