ブランドは人と人の伝書鳩の役割。

Aさんが言ったことをそのままBさんに言えば、Bさんは納得するのか。

実は、そうじゃないんだよなぁ……。
声のトーン、顔の表情……色々あるけども。
それをそっくりそのまま真似たとしても、目には見えない立ち位置のちがいとかもあるから、私がそのまま言ったとして、納得してくれるとは、限らないし、動いてもらえるとも、限らないんだよ。

この、他人を言葉で動かすことの難しさを多くの人は、お金を稼いで、お金を使うことで、なんとなく解決しちゃってる。そのくらい、お金は便利だ。実は、それと同じくらい便利な単語がこの世界には多数存在する。各種の世界に存在する有名ブランドだ。

ま、そもそもの話、全ての人に言葉が通じるわけでもない。
外国から来た人々だと、そもそも普段使う言葉が違うというのは、みんなうっすら思うことだけども、同じ日本の中に住んでいても、違う日常を生きてる人間は、違う世界観に生きてるから、場合によっては、言葉が通じないということもあり得るっていうことも、相手のIQというか、脳内の状態によっては、その言葉の使い方だと通じない(わかってないことすらわかってないから無言のままとか、近い意味の言葉をずっと繰り返すなど)ってのもあり得る。

わからないことがあれば、聞くというのをやってみて、「先生、ココがわからないです!」とわからないところを探し出して言葉にできちゃうタイプの人は、その時点で頭いい側の世界観に生きてるんだよな。自覚ってなかなか出来ないけど。

だから、相手の脳内のタイプや目の状態によっては、こんな長ったらしいnoteの長文も読めない人もいるわけでね。
そうなると……。
なぜ、必要なのかの説明からするより「とりあえず◯◯(ここはブランド名)を買ってきて!」の一言で済ます方が話が通じて効果的ってことも世の中には、ある。
(結局、話わかってねぇじゃねぇか)とか、(話通じてなくね?)と思うかもしれないけど、このタイプの脳内に長い説明してみても、聞いてないんで、しかたない。
わかってないなら、質問してくれって思っても質問も返ってこない。
なぜなら、聞いてないから。
だから、「聞いてるぅうぅう?」と既読スルーされそうなときに返すスタンプがこの世には存在するわけだな……。返事が返ってくるか、返事が返ってこないか、の世界観だ。
そして、「聞いてない」とブチ切れかまされることすらありえる。

……そんな状態の人らとのコミュニケーションにとても便利なのが、有名人とかブランドなんよな……。
とりあえず、花王のアタックといえば洗濯用洗剤だし、間違えることがない。基本的には、そう。
だが……この世界には、アタックじゃなくても、同じような洗濯用洗剤はあるし、しかも同じアタックの中で、粉状じゃなくても、液体洗剤もあれば、最近ではジェル状洗剤もある。
私は、そのどれもを洗濯用洗剤だと認識は出来るんだが……。
私が買い物に行く分には、この3種の洗濯用洗剤をどれ選んでも洗濯用洗剤だから、一番安そうなヤツとか、今回は一番便利そうな状態のを……というふうに思って選べる。
だが、人におねだりするなり、お使いに行かせるなりするとき、「ジェル状洗剤の方の花王アタック」というのは、実は通じなくなる可能性が高い。
え?って思うやん?
言われたらわかりそうに思うやん?これ、わかってくれる人はわかってくれるけど、わからない人は永遠にわかってくれないから。

ブランドがブレまくったら、ダメな理由って、マジでここなんよ。

言葉がわからない状態の人や、言葉が違う人や、要領のよろしくない状態の人にも、万人にわかる状態ってのは
「これしかない」
という状態なわけ。

まぁ、細かいニュアンス考えたら、ちょっと不便だけど、選べるから便利ってわけじゃない……。
変えまくると、変更点をわかってもらうだけで、すんごく苦労するという場合もある。
有名ブランドってのは、その名前そのものが共通言語なんよな。
だから、中身の意味がブレるとその世界観でないと生きれない人みんなが困ってしまうんだ。

今という世の中は、ブランドという共通言語が弱くなった時代。

若い子たちは、今に適応するしかないんで、すんなり適応してるみたいに見えるけど、上の世代になればなるほど、今までテレビが広めてくれた有名ブランドで会話していた人々は立ち往生してるんだよね。なぜなら、その有名ブランドは彼らにとっては、言語だったから。
んで、代わりに細かい理由をわかろうとする人らは、まだ適応出来るかもしれないけど、有名ブランドで会話するしかない人々は、たぶん、ずっと立ち往生するかもしれない。
もう、それは障害となってるレベルではある。
今まで、有名ブランドが言葉の眼鏡代わりになってくれただけの話なんだ。
これからは、新しい言葉の眼鏡が必要なんだ。
(チャットAIがその役割を担ってくれるかなぁ)という期待感が一部にあるようだけど、私は、それ無理だと思う。
そもそも、チャットAIに触れようとして、使いこなす層は、有名ブランドで会話しなくて済む層でもあるから……。
有名ブランドで会話する層、お金ありそうに見られがちだけど、実際自由に動かせるお金は意外と少ない。なぜなら、有名ブランドしか商品の認識できないから。
有名ブランドより、ちょっと安いお値段のもので、同じ成分のものにしてみようとか、そういった融通が効かない。
だって、長い話はわからないというか、わからないこともわからない……。
そう、チャットAIも、たぶん存在すらわからない……。
本当に必要な層には、届かない可能性すらありえるんだ……。

変わらない暮らしというのが必要な人は、どうしても一定数居てる……。
その割に、世の中は容赦なく変わっていくけど。
彼らは混乱のうちに振り落とされそうになりながら、残りの寿命を生きている。

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