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21-22シーズンUEFA CL グループC 第1節ハイライト〜愛のバチュアイもっとたくさん落っことしてくれ〜

始まりましたね。サッカーの世界最高峰が集まる欧州CL。最早チャンピオンズリーグ=この大会なわけですが、今年はちょっと曰く付きなのかな、と。年末賑わせたいわゆる「スーパーリーグ構想」によって、このCLの大会レベルについての疑問が上がっている中の開催ですよって、スタートから何か試されてるかのような大会です。特にメガクラブが存在しないグループはなかなか立ち位置として難しいんじゃないかなぁなんて思っていましたが、まさかのその「メガクラブなしグループ」に当選。このグループは本命クラブがおらず、勝ち上がりには全力投球しにいグループでの戦い方とトーナメントの戦い方は大きく変わるでしょうし、こちらはハイライト記事という形式でイメージを残すようなものでお送りしたいと思っています。悪しからず…。

では第1節、見ていきましょう!

ベジクタシュ×ドルトムント

ベジクタシュ

交代:
61分 17番ラリン→28番カラマン
78分 13番ハッチンソン→8番ウチャン
89分 18番ゲザル→11番トレ

ドルトムント

交代:
46分 19番ブラント→28番ヴィツェル
69分 22番ベリンガム→39番ヴォルフ
        15番フンメルス→34番ポングラチッチ
        21番マレン→18番ムココ
86分 9番ハーランド→36番クナウフ

ベジクタシュ 1-2 ドルトムント
12 シュート数 14
3 枠内シュート 7
58% ボール支配率 42%
94分モンテーロ 得点者 20分ベリンガム
                                 45分ハーランド

【ハイライト】

お前…そこで何してんだよ。バチュアイ…お前バチュアイだよな…?クリスタルパレスでも行方不明になってたくせになんでCLで俺と再会してんだよ。気になって試合に集中できねぇよ。ハーランド以上に目がいくよ。くっそ。私はバチュアイ大好きなので、グループCに運命を感じたよね。ちなみにiPadの待ち受けはケロッグを食べるバチュアイです。古巣戦だな。頑張れバチュアイ。はい。超余談でした。

ベジクタシュはとにかくゲザルが目立つ。一つ一つのプレーがベジクタシュに勇気を与え、なんかバチュアイが決定機になるみたいな。やるやんバチュアイ。ピャニッチも良いリズムでチームに絡んでいる。個人的な下馬評ではこのグループで一番下の存在かと思っていたが、狙っての一発があるこのチームにその評価は正しくなさそうだ。みちみちにプレスで狭くされるとピャニッチ以外は難しそうだが、息をするためのゲザルに丸投げって逃げ場もあるからこの2人が近くでプレーすれば一発は担保されるかもしれない。

一方のドルトムントはやはりハーランド。もっと自分勝手なイメージがあったけれど、パスを出す意義を知った流川みたい。これだけなんでもできるストライカーにボールを届けられればそれだけで強い。最終ライン、CB同士のパス交換から相手のズレを待てる。4-1-4ブロックのベジクタシュ相手だと、相手の縦ラインのズレが少ないために縦の速さを発揮できなかったものの、ハーランドに蹴っちゃえば良くね?があるのはズル。得点のところから逆算された強みの出し方は素晴らしい。

前で捕まえたいベジクタシュに対して、ロングボールでしかなかなか前に進めないドルトムント。ドルトムントがベリンガムの得点で先制するまではむしろベジクタシュのペースだったと言っていい。待ち構える網にドルトムントが引っかかりに来てくれる。このカードの当たりだと結構ドルトムントはギャンブル。後ろでは動かせるが、その後の崩しに関してもいかにハーランドが絡めるかorハーランドに引きつけられて空いたところを使えるか、でしかないのでバリエーションは少ない。
おそらく縦に速くせざるを得ないのはこの辺りにあって、そのためにプレスバックからの限定ができないので、前後を分断されないためにはDFラインを上げなきゃいけない。それ故にバチュアイが輝いちまう。その中途半端なDFラインとの駆け引きが大好きなFWで、そこへの嗅覚が抜群。ゲザルにより引っ張られたギャップにバチュアイみたいなシーンがいくつかあった。プレミアではそれは許されないからバチュアイの居場所はプレミアじゃなかったねって。ちょっとだけ。ちょっとだけ嫉妬。

とはいえ最終的にはやれるタレントがどれだけいるか、の差で終わってしまった感は拭えない。バチュアイはハーランドじゃなかったし、ゲザルはベリンガムじゃなかった。だからこそベジクタシュは工夫した4-1-4を徹底的に仕込んだのだろうし、ドルトムントはそういったものを必要としていない。勝敗に表れるコントラストもまたサッカーだし、世界最高峰の舞台でも本質的な部分は変わらないのだ。

スポルティングリスボン×アヤックス

スポルティングリスボン

交代:
21分 25番イナシオ→47番エスガイオ
46分 16番バイナグル→2番レイス
        10番カブラル→17番サラビア
60分 11番サントス→19番トマス
78分 21番パウリーニョ→68番ブラガンサ

アヤックス

交代:
70分 11番アントニー→7番ネレス
        12番マズラウィ→15番レンチ
77分 23番ベルハイス→25番テイラー
80分 17番ブリント→3番スフールス

スポルティングリスボン 1-5 アヤックス
9 シュート数 13
3 枠内シュート 6
46% ボール支配率 54%
33分パウリーニョ 得点者 2,9,51,63分ハラー
                                39分ベルハイス

【ハイライト】

開始早々の得点が全て。追い上げる33分の1-2から前がかりになりすぐに3失点目を喫したホームチームは終始ゲームコントロールに悩み続けていた。

知ってはいるが、あまり見たことがないスポルティングリスボンのイメージは多くの出身者がいるウォルバーハンプトンのようなサッカーを描いていた。点差が開いたことでわからなくなってしまったが、少なくともニアイコールで良いのだろう。攻守において狭い局面を全く作れなかったことがリズムを作り出せなかったに違いない。

アヤックスが上手すぎた。寄せに対して、ボールを晒してからキャンセル→外して拾いサポートへリリース。これを繰り返すだけで良かった。
ダイレクトパスで落として欲しければ、受け手と相手の近い方へパスを出す、といったメッセージ性のあるパスを正確に出している。認知の負荷を正確なパスとトラップで減らし、判断の時間を増やし、実行する際の選択すらも与えられている。いとも簡単に最終局面であるウイングの1vs1を作り出す。その時点で狭くしようとし続けたスポルティングのDFラインは最終ラインのみが晒されている形に。1vs1に勝てば、もうただの得点機会。強いわけだわ。

オランダサッカーに育成の真髄を見た!と志した指導者が最終的に「質の壁」にぶつかるのを見た者としては非常に興味深かった。
これができればすごいぞ!はわかるけど、並大抵のことじゃない。それを越えたからこそ、他国リーグで活躍できる選手が多く排出されるのね。最近サッカーもお仕事も育成に目線が行く年齢になって来た身からすればアヤックスを見ることができたのは良かったかもしれない。

ただそれだけで答えが出ないのもまた事実。スポルティングは大敗したとて、このチームも多くのクラッキを大国へ排出しているクラブだ。個性はある。ただそれが国の最強決定戦の後の強さ比べ大会になってしまうと難しいよねってのがこの試合。もっと彼らの良さが見たかったのが本音。アヤックスの広くしたい力が上回ってしまった。それだけのこと。ただ敗戦、大敗という結果があるだけにそれが難しいことのようになってしまっているだけのこと。次の試合で彼らのことがたくさん書けることを願っている。

グループC 結果

1位 アヤックス 勝ち点3 1勝0分0敗 得失点+4
2位 ドルトムント 勝ち点3 1勝0分0敗 得失点差+1
3位 ベジクタシュ 勝ち点0 0勝0分1敗 得失点差-1
4位 スポルティング 勝ち点0 0勝0分1敗 得失点差-4

まだ1節しか終わってないからなんもわかんない!けど、ガチでこのグループは荒れそう。アヤックスはベジクタシュに苦戦しそうだし、スポルティングはベジクタシュは得意そう。相性表作ったらポケモン並みに複雑になりそうだから終わった時にやるかもしれないし、やらないかもしれない。

なんというか。冒頭でスーパーリーグについて触れてしまったので、今更ながら一言。
メガクラブを下支えしているクラブが世の中にはあって、そのクラブがメガクラブを相手に切磋琢磨できる機会やアピールする機会があってもバチ当たらんでしょ。立ち位置を知ることで見える景色もあるわけだし、立ち位置が違ってもそれは俺達が愛するサッカーだから。っておじさんはそう思うのです。金のことは知ってるけど、知らん。こっちはサッカーってロマンに金使ってんだ。

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