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勝ちの価値はそれぞれの心の中に〜欧州カタールW杯予選グループI 第5節サンマリノ🇸🇲 1ー7 ポーランド🇵🇱〜

何点差の試合になるのか、サンマリノがどれだけ抗うのか。サンマリノは前節プレスバックが効いていたものの、この試合に関しては物事を後ろから考えなければならないはずで、そこの強度が晒されてしまうと反撃の目を見出すのは難しい。ポーランドの勝利は約束されている中で、サンマリノはどこに目標を設定するのだろうか。

サンマリノ共和国

人口:約33000人 首都:サンマリノ
FIFAランキング(21/8/12発表):209位
今大会成績:0勝0分4敗 得失点差-12 6位
一口メモ:実はF1サンマリノGPはイタリアで行われていた。

スターティングメンバー

交代:
39分 6番ロッシ→10番トマッシーニ
46分 11番ブロッシ→5番チェボリ
        7番ビタイオーリ→20番ハルシュ
66分 16番ファブリ→5番コンティ
73分 19番ナンニ→3番パラッツィ

ポーランド共和国🇵🇱

人口:約3800万人 首都:ワルシャワ
FIFAランキング(21/8/12発表):27位
今大会成績:2勝1分1敗 得失点差+5 4位
一口メモ:ポーランドには湖が約9300ある。

スターティングメンバー

交代:
46分 16番モデル→20番スリーシュ
          1番シュチェスニー→12番スコルプスキ
          9番レヴァンドフスキ→14番ブクサ
66分  23番プハチ→18番ザレフスキ
79分   8番リネティ→21番フランコフスキ

サンマリノ 1  -  7  ポーランド
7 シュート数 24
3 枠内シュート 11
23% ボールポゼッション 77%
得点者:4,21分レヴァンドフスキ、16分シフィデルスキ、44分リネティ、
67,92,94分ブクサ(POL)
48分ナンニ(SUN)

サンマリノの全てのゲームプランを破壊したのはやはりレヴァンドフスキだった。ブロック内に侵入を許さない意図を見せたサンマリノだったが、2分のCKを許したところから押し込まれ、世界屈指のストライカーとしての質を持つ男の前に平れ伏した。

"この試合の"両チームの印象

・サンマリノ

アンドラ以外のチームにはこの戦い方を選択するのだろう。
ブロックの外に押し出しながら相手のミスを待つ形。確かに7失点はしたものの、後半開始の1得点はラッキーに見えるが、狙っていたものなはず。レヴァンドフスキも決めたが、サンマリノのエース・ナンニも着実にものにした。優勝したかのセレブレーションは観ているこちらも笑顔になれた。ミスを逃さないのであれば今後もチャンスが見えて来る。2004年3月以来の国際試合勝利を拝めるかもしれない。

・ポーランド

ブロックの外に弾き出される力を利用して、できたスペースに顔を出しながら前進。早いタイミングでサイドを取れるし、深さも取れるし、セットプレーでも勝てる。大量得点は約束されていた。
そんな中でもきっちり役者が仕事をして7得点を挙げるのだからさすが。正直なところ戦術とかそんなんは私にはこの試合では語れぬよ(笑)

試合観戦記

「4分にレヴァンドフスキが決めた」
この試合はこれが全て。どうしようもないものを前に、サンマリノは抗う術などなかった。

サンマリノは一度押し込まれてしまうと、できるだけ遠くの選手に出してファールももらう形でしか陣地回復の手段はなく、ただただ力負けとしか言いようがない。FIFAランキングで182の差がある国同士の試合である。その現実を見せられた。

かと言ってサンマリノにやる気がなかったわけでもない。これは私の素養の話になるが、基本的に応援しているしていないに関わらず、劣勢のチームをベースに、どうしたいのか、どうするべきか、から試合観戦を組み立てる。この試合も、もちろんその観点で試合を観たわけだけれど、どうしようもないのよ。ここまでどうしようないって思ったことってなかったかもしれない。考えることを放棄したわけではないのだけれど、唯一挙げた1得点が精一杯の抵抗で、それしかないだろってそういうものだった。

そういう意味ではサンマリノは負けたけど、勝ったのかもしれない。
サッカーってのはいろんな勝ちがある。もちろんW杯に出場するために勝つ、もそうだし、例えばクラブ単位の話で言えばチームがなくならずに存続するだけで勝ちってこともあり得る。全てのサッカーチームが優勝を目指さなきゃいけないわけじゃないし、その試合に臨むモチベーションも違う。

サンマリノの勝ちってなんだったんだろうって考えると難しいし、彼らにしかわからない。ポーランドから奪ったこの1得点が、サンマリノにとって、そして若きエースのナンニにとって、大きなものになっていくことを願いたいし、もしかしたらそんな願いすら意味のないことなのかもしれない。その立場にいないとわからないこともある。勝てないことに対してあーだこーだ言えることは幸せなことなんだろう。1得点しか取れなくても、その1得点が限りなく遠くにあるサッカーも世界にはある。私達はとんでもなく贅沢な悩みを抱えているのかもしれない。あなたの応援しているチームの勝ちってなんだろう?それがあなたのサッカーライフにおける価値なのかもしれないよって。そんなことを考えさせられた一戦だった。

それぞれの気になった選手

・サンマリノ

19番 FW ナンニ
2試合連続の選出で申し訳ないのだけれども、21歳の彼は紛れもなくサンマリノの未来であり、最前線からチームを引っ張る存在。奪った得点も簡単だったとは言えず、鋭く速くコースを突くシュートだった。目の前で見たレヴァンドフスキはどう映っただろうか。

・ポーランド

9番 FW レヴァンドフスキ
紹介するまでもなくズル。理不尽。1得点目、さすがにやっべぇわ。サンマリノDFの心を折るには十分すぎる能力の高さを見せた。なんならサンマリノの大番狂わせを観たかった俺の心も折れた。エースってこういうことだよね。

結果と次節

この試合の結果で、

サンマリノは0勝0分5敗 得失点差-18の6位
ポーランドは3勝1分1敗 得失点差+11の2位

となった。

次節は、

サンマリノアルバニアとアウェイ戦。
ポーランドイングランドとホームで大一番を迎える。

イングランドを止められるのはポーランドしかいないと思われるが、逆に2位を確保するためには引き分けの選択肢も出てくる。次節の大一番でグループIの大勢が決する可能性があり、最も注目度の高いカードとなる。

その他のリーグ、その他の試合に関しては

Windtosh's Cantina

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