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大西健丞氏、Civic Forceに続きAPADジャパンの代表理事も辞任~「利益相反」への対応が原因か


ホームページに新代表が登場 

 NPO法人アジアパシフィックアライアンス・ジャパン(APADジャパン、佐賀市)がようやくホームページで代表理事の交代を明らかにしました。

 交代理由などは一切明らかにされていません。重要な情報について説明が不足しているようです。触れられたくない話題なのでしょう。

 内閣府のNPO情報サイトでは、2020年12月24日以降、認定NPO法人ピースウィンズ・ジャパン(PWJ、広島県神石高原町)代表理事の大西健丞氏がAPADジャパンの代表を退き、事務局長の根木佳織(前田佳織)氏が代表者になったことが明らかになっていました。

 しかし、ホームページ上は、代表理事として大西健丞氏の大きな顔写真とメッセージを掲げ続けていました。

代表交代は12月9日付

 私は、代表理事交代の事実を確認し、あわせてその理由も尋ねる電子メールをAPADジャパンと、このNPOを佐賀県に誘致した県庁の県民協働課に2021年1月5日付で送りました。

 APADジャパンから回答はありませんが、佐賀県県民協働課の居石美和子課長からは6日付で以下のような回答が届きました。

⇒代表理事の変更の件は、令和2年12月22日に、本県に届出がなされています。(役員の変更登記は、令和2年12月9日付けで行われています。)
⇒なお、この届出の前後における同団体の理事については、次のとおりです。
 理事:4名
 ・代表理事 大西 健丞〔R2.12.9辞任〕→前田 佳織(根木 佳織)〔R2.12.9新任〕
 ・理事 神谷 保彦 ※変更なし
 ・理事 平尾 千絵 ※変更なし
 ・理事 吉田 哲也 ※変更なし

 役員の変更理由は、NPO法上、変更理由の記載を求めていないため、「本県では把握していません」ということです。

県アドバイザーが県誘致NPOでも理事?

 この回答を受けて、あらためてAPADジャパンのホームページをのぞいてみると、新しい代表理事の根木佳織氏の大きな顔写真とメッセージが掲載されていました。APADジャパンは、このホームページ更新をもって問い合わせへの回答としたのでしょう。

 4人の理事という説明には一部間違いがあり、吉田哲也氏(共益投資基金ジャパン事務局長)APADジャパンのサイトでは監事となっています。佐賀県からも7日朝訂正の連絡がありました。

 また、これまで同サイトには理事が2人しか紹介されておらず、「NPOは理事3人以上いるはずだから、誰かの名前が意図的に隠されているのではないか」という声も出ていました。

 平尾千絵氏(株式会社ファンドレックス パートナー)がいままで公表されていなかった理事だと思われますが、このファンドレックス社は佐賀県からの委託を受け「NPONGO誘致」に関するオンライン相談会も開催している会社です。平尾氏は県のアドバイザーを務める会社のパートナーであり、同時に誘致された当事者の理事でもあるわけです。

 誘致する側が誘致された側の幹部を兼務している格好で、あまり好ましいとは思えませんが、佐賀県はこうした利害関係を公表させる等、ルールを設けていないのでしょうか?

根木氏は大西氏の分身か?

 また、根木佳織氏は2020年8月に公益社団法人Civic Force(シビックフォース、東京都渋谷区)の代表理事も大西健丞氏から引き継いでいます。そのシビックフォースに佐賀大学教授が理事として9月から参加した際、佐賀大学にその就任理由を聞くと、「佐賀県の誘致NPOであるAPADジャパンとの協力関係」によるものとの説明があったため、佐賀県がAPADジャパンにどのような便宜を図っているのかも今回尋ねました。

 その結果は、

⇒アジアパシフィックアライアンス・ジャパンについて、特別に何らかの
 便宜を供与した事実はございません。

⇒同団体と佐賀大学との提携にあたっても、本県は仲介しておりません。

ということです。

 大西健丞氏がシビックフォース代表理事を務めている時期に、シビックフォースは大西氏が代表を務める認定NPO法人ピースウィンズ・ジャパン(PWJ)に対して最大3億円の短期貸し付けを実施し、利益相反が理事会で問題になり、最終的に大西氏はシビックフォースの代表理事を退任する原因となった模様です。

 PWJの例をみていれば、シビックフォースの資金がAPADジャパンに流用されることも十分に想定しておかねばなりません。元職員の解説によると、「根木氏は大西健丞氏と一心同体のような関係」といい、NPO活動上は分身とみることもできるそうです。

 根木佳織氏がその2つの法人の代表理事を兼務する状態は決して好ましいものではないでしょう。

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