見出し画像

大間マグロ販売業者逮捕~過剰漁獲知りながら放置してTAC(漁獲可能量)制限を強行した水産庁に責任はないのか?

 青森県警は7日、漁業法違反の疑いで青森県大間町の水産物販売会社の経営者2人を逮捕しました。筆者が2022年6月、日刊水産経済新聞の紙面を借りて紹介した静岡市中央卸売市場に「ブリ」などと偽ってこの2人の会社2社がクロマグロを出荷したことが容疑事実の中核をなしています。報告義務を負う漁業者のみならず販売業者もその果たした役割次第で漁業法違反の罪に問われることを示した事件です。

 こうしたヤミ漁獲自体、大間では以前から横行していて、私は2017年から水産庁、青森県、大間漁業協同組合の3者に対して、県に報告された漁獲量と比べて東京・築地市場(豊洲市場)での流通量が多すぎることを指摘し、調査を求めてきました。しかし、その当時、国も県も大間漁協のおざなりな調査結果をうのみにして、過剰漁獲の実態を放置してしまったことが犯罪を生んでしまった原因です。

 水産庁は2018年から太平洋クロマグロを資源管理法に基づく漁獲可能量(TAC)制度の対象に追加しましたが、大間での過剰漁獲を放置したままTACに移行することにどれほどの意味があったのでしょう?大間の漁業法違反事件は、水産庁や青森県が大間での野放図なクロマグロ漁獲実態に真正面から向き合うことなく、TAC移行という体裁を取り繕うことを優先してしまった結果、起こるべくして起こった事件です。

2017年末、水産庁から大間産クロマグロの流通量が漁獲報告より多い問題について調査するよう指示を受けた青森県は、漁協に調査を丸投げした。漁協以外からの出荷実態は調査していない。

大間の漁業者によるクロマグロ漁獲実態を正確に把握しないまま漁獲報告義務の履行を求めても嘘つき、犯罪者を生み続けるだけです。漁業法によって警察と同様の捜査権限を与えられている水産庁、青森県の漁業監督部門はこの際、大間のマグロを扱う販売業者と漁業者の販売記録を悉皆調査し、表向きの報告数量とはかけ離れた漁獲の実態を調査し、TACに基づく漁獲量配分も全面的に見直すべきだと思います。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?