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107の犬種からベストインショーを決める審査員の責任の重さ

 大阪南港のインテックス大阪で3、4に両日開催されたFCIジャパン インターナショナルドッグショー2021を見学しました。

 出陳頭数一覧によると、ショーに参加した犬の頭数は1156頭、犬種は107にのぼります。

 ふだん使う東京ビッグサイトがオリンピック準備のため使えず大阪開催となりました。出場を見合わせた常連もいますからこれでも例年よりも小規模だということです。



 両日とも午前中は犬種ごとに審査して、午後は犬種を系統ごとに10のグループに分けて審査して、各グループ上位4席までを決定します。
 
 最終選考のチャンピオンシップショーに進めるのは、牡牝それぞれ上位10頭だけです。その中からキングとクイーンを絞り込み、最後にそのいずれかをベストインショー(BIS)に選出する運びです。

 今回のキングは第2グループから登録番号295番のグレートデーン「グレイトロマンス」(丸亀市上村将史さん所有)、クイーンもやはり第2グループからドーベルマンの「ココアクアマリン」(宇陀市東平孝行さん所有)が選ばれました。

 そしてBISとして農林水産大臣賞を受賞したのは「グレイトロマンス」でした。

 審査では、体を撫でてみたり、走る姿を観察したりして優劣を判定しています。質の高い純血種の繁殖の成果を競うものですが、犬種ごとに固定された標準があって、その理想にどこまで近いかを見極めるのですから、しっかりした知識を身につけておくことが必要です。

 このドッグショーでは、たくさんの犬種の中から最優秀の1頭を選び出すのですからBIS審査員はかなり経験を積んでいなければ務まりません。


 最終選考の審査員を務めた河又勝利さんは、1977年に全犬種審査員資格を取得した大ベテランです。オーストリアや中国などでも審査を行なっているそうです。アメリカン・コッカー・スパニエルなどの繁殖経験み豊富で、トリマーの養成にも尽力されたペット業界の重鎮です。

 私は5年に一度開催される和牛のオリンピック、全国和牛共進会を取材したことがあります。和牛はせいぜい黒毛、短角、赤牛くらいしかわかれていません。地方大会を含めて審査員もたくさんいて、チームで採点し順位を決めていきます。

 ドッグショーは犬種ごとの審査、グループ審査、最終審査はそれぞれ1人の審査員が受け持って順位付けします。おかしな順位付けをしてしまうと自身の評判を下げてしまいますから、審査員も真剣そのものです。
 

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