異業種から事業参入続々、農業Weekー幕張メッセ大賑わい
第11回農業Week(10月13-15日)を見学しました。会場は千葉市の幕張メッセ。近くなのに千葉市に来たのは7カ月ぶり、幕張メッセは3年ぶりかもしれません。新型コロナですっかり足が遠のいていました。
最終日だからでしょうか、いくつもある受付はいずこも長い行列。今回「スマート農業展」が目玉の一つですが、事前に登録を済ませていても、バーコードの情報を読み取るリーダーのない受付もあって、「この紙にもう一度記入してください」と(//∇//)
会場で目立つのは、植物工場とドローンのコーナーでした。メーカーもたくさん登場して、競争も激しいようです。
■タイのドローンも登場
タイのドローン製作会社の展示(写真)もあって、日本に優位性はないという前提でこれからの製品開発は進めたほうが良いのだと思いました。中国製はドローンに続いて業務用EV市場でも日本市場に浸透し始めていて、内部留保を貯めるだけで大胆に新事業を立ち上げようとしない日本企業の老化を感じます。
■建築資材から植物工場へ
住宅からホテル、物流センターまで建設する大和ハウス工業が植物工場も手がけているとは知りませんでした。事業のパートナーはアルミサッシの三協立山で、工場内の室温を位置によらず一定に保つ送風システムを独自に開発し、レタス始め葉物野菜を数種類栽培できる技術を確立しているということでした。植物工場は棚状の人工圃場になっていて、照明の当たり方により下段に行くほど温度が下がり、生育が遅れていました。
三協はその問題を解決して、生産性を上げることに成功したわけですね。植物工場でアルミ資材が使われるのは出入り口くらいしかないのですが、新しい仕事を作っていかないことには企業の成長も止まってしまうので、担当者が10年前にほとんどゼロから立ち上げた事業だそうです。
■駐車場の代わりにトマト
製造業からの参入という点では、駐車場管理システムのアマノがミニトマトの栽培システムを開発し、市街地の空き地利用のために売り込んでいるようです。アマノの本社は横浜市の菊名駅の近くにあり、私は若い頃、横浜支局にいたのでよく取材に行きました。
高齢者が車を手放したり、若者がクルマに乗らなくなったりで、駐車場ビジネスも成熟期にあり、それに代わる商品としてトマト栽培を提案しているとのことでした。大和ハウスや三協と同じように、時代が変われば会社の事業も変わっていくものなのですね。
■製紙会社が家畜飼料
一番印象に残ったのは、日本製紙が開発した牛用の飼料「元気森森」です。木材チップから繊維だけを取り出して消化のよい飼料にしています。2019年に給与試験を始め、今年から本格的に販路開拓を始めたそうです。
千葉県や静岡県の牧場での使用事例では乳量増や繁殖成績の向上というデータも得られています。新型コロナによる物流混乱で輸入飼料が高騰を続けているので、国産材から製造できる新しい飼料の今後に期待したいですね。