福山検察審査会、ピースワンコの動物愛護管理法違反は「不起訴相当」と議決

 NPO法人ピースウィンズ・ジャパン(PWJ、広島県神石高原町、大西健丞代表理事)と大西健丞代表理事、大西純子夫人を被疑者とする動物愛護議管理法違反を不起訴とした検察の処分を審査していた福山検察審査会はこのほど、不起訴を「相当」とする議決をしました。不起訴を覆すだけの証拠が足りないということです。関係者からそのような連絡を受けました。

 とても残念ですが、その結果は受け入れるほかありません。

 守るべき最低限のルールを破ったと決め付けることはできないというわけですが、このルールすら守れなければレッドカード、一発退場ですから、不起訴相当だからといってPWJの保護犬事業ピースワンコの側も決して喜んではいられないはずです。過去に公表したピースワンコの「お知らせ」でもシェルター内で犬同士の争いで犬が殺されたりする環境があったことを認めています。

 批判された当時は、それでも命の選別をすることなく殺処分対象の犬を全頭引き取ると言っていましたが、それが無謀な背伸びだと悟ったようで、2019年からは引き取る頭数制限をこっそり始めていたことも地元神石高原町から開示されたPWJの事業計画書で明らかになっています。広島県警に対する告発と捜査、そして書類送検はPWJに反省を迫り、事業の進め方を変えさせる効果があったのです。告発した方々の勇気をたたえたいと思います。

 そしてPWJには、いまだ一般にはっきりわかる形で説明をせずにいる「殺処分対象の犬の全頭引き取り」の放棄と「頭数制限(命の選別)」のスタートという事実について、ふるさとチョイスやgooddoなどの寄付募集広告でもきちんと説明するよう要望します。広島県庁もPWJに広報を改めるよう繰り返し指導しているのに、全頭引き取りを続けているという印象を抱く支援者は相変わらず多いようです。

 寄付を集めたいばかりに無理を重ねていては、本末転倒の結果を招いてしまうことはPWJの大西健丞代表理事夫妻もよく分かったものと思います。動物愛護管理法違反は証拠不十分でしたが、狂犬病予防法違反の事実はPWJも認め広島県の指導を受け入れていました。

 そしてその指導のひとつ、収容犬に対する鑑札装着義務はいまだ実行されていないことも岡山県動物愛護センターや岡山県高梁市の調査で判明しています。広島県内で収容しきれない犬たちを岡山県に移送して、そこでも問題を起こし続けているのです。法律を守るという最低のことすらできていない現実を知って、ピースワンコの立ち直りを期待していた専門家たちにも失望が広がっています。

 広島県から犬のシェルターがやってきて、年々膨張する様子を見て、しかも法令を順守していないと知って、岡山県の人たちは実際のところ怒っています。どうかわが故郷・広島県の恥をこれ以上さらさないで欲しいと願うばかりです。 

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