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「中国リーチ麻雀事情」①中国人日本麻雀プロが中国で雀荘ゲストした

皆さんお久しぶりです。
日本プロ麻雀連盟の李佳(りか)です。

まだ自分のことわからない方に自己紹介を。
私は中国生まれ中国育ちの純中国人で、今日本で留学しながら麻雀プロやってます。
それによって麻雀プロとして仕事になる雀荘ゲストができなくて。
幸いその他のバイトができたりしますので、生活もまぁ保つことができる。

だけど、応援してくれてる人たちと触れ合いたい気持ちももある。
一久さんでゲストさせていただいたり、今回は6/16日に麻雀Barスパナさんでゲスト入る予定もありましたが、
麻雀プロとしてお客さんと麻雀打ちたい気持ちはずっとあります。

だいぶ前のことになってしまったが、今年の2月、春休み帰国の自分にゲストの依頼がきました。
中国北京市の雀荘冷麺さん、そして広東省中山(チュンサン)市のNAKAYAMA日麻倶楽部さん。

私は初の雀荘ゲストしに行くことになりました。

冷麺好きなオーナー

「冷面雀荘(冷面雀庄)」
その名を見た時、ここは冷麺出してくれるのかなと思っていた。
*中国に麺と面は同じ漢字に書くため、元の文字冷面を訳し冷麺に書きました
日本には雀荘飯が有名なところが多いだが、中国は出前が便利すぎる故にあんまり雀荘飯を出すところが少ないです。
なので実際に冷麺出せません!残念だった。

Xで告知したら、「それ冷面じゃないか」
と連盟の黒木さんが指摘してくれてた。
やばい、もしかしたら冷麺の意味じゃないかもと思って確認したところ、オーナーが冷麺大好きだから店の名前も冷麺にしたということだった。
それを聞いて冷麺好きの自分は勝手に親近感湧いてきました笑。

そしてすぐその日になっていた。
「ゲスト前にオーナー2人と一緒にご飯行きませんか?」と、オファーしてくれた店長ポジションの方が言ってくれた。
待ち合わせは、店のすぐ近くのモンゴル族料理のお店だった。
羊肉と乳製品が感動的美味かった。

羊肉美味すぎて写真撮るのも忘れた


北京に居た時よく食べてたけど日本ではなかなか無くて、懐かしい〜と言いながらオーナーご夫婦と店長にいろいろ話を聞いていた。
李「最初はなぜ私にDMしたのですか」
店長「ナタリアさんに遊びに行った時、馬さんと李佳さんのことを話したら事情聞きまして、北京の人だと分かったらぜひうちでイベントやりたいと思ってました」

ナタリアは、ナタリアメイドカフェのことだ。
深圳にあるメイドカフェで麻雀卓も置いてある。配信設備も揃っていて毎月店内リーグ戦が行われている。MリーグでEX風林火山のスポンサーもしてる。
そこの仕事はよくさせて頂いたり、社長の馬さんとも仲良くさせて頂いてる。冷麺さんに推薦してくださってマジ感謝です。

李「そういえばどうやってお呼びすればいいでしょうか」
店長「オーナーのとこ冷麺って呼んでいいです」
李「なるほど!よろしくお願いします冷麺さん」

って本名じゃない呼び方するのも今中国の特徴。
ビジネスのやり取りさえペンネーム(会社用)があり、趣味で集まる集団ならなおさら。

後で話聞いていたが、店長とオーナー夫妻の出会いはネットで、初手から「うちに麻雀しに来ませんか」とオーナーのお家で麻雀したらしい。
その後意気投合して一緒にお店を立ったという。
麻雀好きないい人たちだ。との印象を受け、いつの間に緊張もしなくなった。

お客さんは“東大生”たち

お昼済ませて、お店に向かいます。
入ったのはデカいオフィスビルの中。

日本と違って、中国のリーチ麻雀雀荘は独立している店舗を持っているのが少ない。だいたいオフィスビルやそういう系のビルの中にある。

少し古くて中に照明ついてないもので、私は店長たちの後ろについていた。
道がもう覚えないくらい歩いた気がして、お店に着いた。
ドアを開けたら、外と全く違うような雰囲気でした。

お店のホール

黒い壁に暖色の照明。真ん中に二台のレックスIII。
スタジオでも入ったのか、と率直な感想。

隣に個室2個、計4卓の小さいな雀荘ですがキレイでスタイリッシュでした。
その隣に、私のゲストイベントの看板が置いてあった。

デカい看板作ってくれた


はじめてこんな近くに自分の顔写真を見たんで少し恥ずかしいけど、ここまでやってくれてへの感謝と共に高まっている自分がいる。

個室覗いてみたらすでにお客さんが来てくれて、
私見て「りかさん!今日よろしくお願いします!」ってすぐ声かけてくれて。

本当に嬉しいすぎる。
もう今日はやらなきゃいけないんだ。
来てくれるお客さんと呼んでくれるお店側にも恩返しするには、最高のイベントにさせるしかないんだ!
と開始の挨拶をして、早速対局に移りました。

お客さんと対局中

日本の大会と同じ風に、半荘四回戦のイベントだった。
必ず一回ゲスト同卓があり、私もお店のほうも、同卓者にトップ賞などを用意しました。

最初はワイワイでみんな楽しめよ!のつもりだった。
お客さんは皆とても若くて、二十代や三十代しかいないかと思って話聞いてみた。
私の予想通りでほぼ80%で大学生の方だ。
冷麵雀荘は、海淀区大钟寺にいる。有名な大学がたくさんあるエリアで、なのでお客さんも学生さんがほとんどだった。

その日来てくれた方も、清華大学や北京大学の学生もいった。この二つはどっちも東京大学と相当するような名門です。
「凄いですね、私も東大生と打った時負けれられないなと思ってました」と言った。
「私たち普段高校リーグも出てるんで麻雀ゲームもよくやる、麻雀大好きなんだから本物のプロと会えるなんて嬉しいですよ」と。
「全力でやっていただきたい!プロの実力が見たいんです!」と同卓のお客さんも見学の方も言ってくれて。
実際に麻雀してても気付いた。
みんなガチな麻雀打ちだということです。
中国には日本麻雀は若い層のもの。大学の間にリーグやったり、大学の研究で麻雀AIなども開発され、今非常にアツイ環境になってます。
ここで集まった若くて研究に真摯な学生たちで、もしかしたら自分より強い人もいるかもしれん。
みんなが真剣さを求めているならば自分も負けられないなと思って、対局に集中してました。

水を得た魚の如く

あっという間に4半荘。
結果が全連対でプロの意地見せました笑。
半荘の合間にじっくり皆さんとおしゃべりしたり、サインして一緒に写真撮ったり、最高な時間過ごしました。
「ありがとうございます!またぜひ来てください」と、お客さんたちがお帰りになって、
「最後に一回やりませんか」と店長が声掛けてくれた。

退勤定時まで40分、そのままエキストラマッチで店長とオーナー夫婦で対局が始まった。
さっきと違って会話を交わしながらの麻雀だった。
これももちろん、楽しいに決まってる。

半荘終わって、そろそろ終わりに近付いてる。時間を忘れるくらいに、て楽しかった。

日本に居てなかなか初対面の人とこんなに打ち解けることができなかった自分なので、
母語に変わったらよりリラックスできで嬉しかった。
今までまじめな人とずっと思われてるかもけど、半分は本当で半分はまだ馴染んでない気がする。

一見関係ない話するけど、私はずっと得意学科は国語だった。
中国も日本もそこまで重要視されていない学科。
学ばなくても国語はできるんじゃないかと。
確かに話するには国語いらない。生活するにも算数みたいに必要スキルではない。
だけど使いたいもん。
より自分の気持ちに合ってる、
より今の場に合ってるそのただ一つの言葉を。
それを今すぐできるものではなく、長年で体に染み付けるものと思う。

言葉は、手足のようなものと思うのよ。
書く、箸を持つ、スマホを使う。どれも精密すぎる作業なのに、人が意識してないのは指はあんまりにも思いのままに動作しているからだ。
もし手が不自由だったら、生活はどれだけハードルになるだろう?
最低限にできるかもしれないけど、使うたびに重さを感じるだろう。
自分は「正常な」人と違うから、コンプレックスも感じるだろう。

私はそのように、日本語で言葉不自由を感じている。
一生懸命頑張って生きているでもあるし、今の生活も満足しているが、落ち込むときに思い出してしまうことはよくある。
なので久々に言葉を活かせるような仕事ができて、久々中国語喋ってる他人と自分に向き合うこともできて、本能に近い喜びを感じた。
同時に、初めての雀荘ゲストも達成して、「麻雀プロ」らしいことをやっとできた。
麻雀プロの生き方やあり方、先輩たちの背中を追って学ぶものだと思ってるけど。
私は一番簡単なことをマネするさえできないだ。
少数派の道を探せなけらばならないだが、その一歩を歩み始まったと思った。

その後、初めて地方へゲストすることも、
風林火山スポンサーのナタリアさんに遊びしに行くことも、
中国の方とお話しして中国で日本麻雀をやってる人たちの話も、
これからも書き続きますのでぜひ読んでいただけると嬉しいです!
ではでは、また!

日本プロ麻雀連盟 李佳

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