【詩】成れの果て

湯上がりの嘘は成れの果て

漆黒だ

垢じみた指を太陽に透かし

まぶしいまぶしいと

愚痴をこぼす

成れの果ての果てになろうと

明る過ぎて見えない世界に手を伸ばす

湿ったふくよかな手のひらは

確かにあの子の手のひらで

夜の高速道路のごとき火花が散る

一寸先は闇

いいえ

今までだって

見えるものなんて何もなかったじゃない

沈黙は金

いいえ

黙ってたって何も始まらない

うたかたの夢の中の

成れの成れの果て

恐るな

永遠に永遠に

歯向かって行け

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