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2022年10月の記事一覧

【詩】scream

【詩】scream

死ね

朝駆け

空を舞え

疾駆旋風

雨に歌え

天限絶佳

曇天に笑え

全てを吸い付くす

嵐を抱け



夕焼け

岩漿に潜め

赤手空拳

拳上げ

安寧ひらけ

琳寧鳴らせ

気の済むまで

【詩】いいえ誰でも

【詩】いいえ誰でも

世界が血に染まる逢魔が時

仲睦まじく否定の影が

いてぇいてぇと寄り添っています

遠い咀嚼音を気に病むのはもうお止めください

迂闊な愛の偶像を信じた私が悪いのです

なまずの惚けた口に滑り込む

カワムツの青銅色の閃きが

残像として残っております

トラウマでしょうか

いいえ誰でも

乱杭歯の森の奥

痛みで鈍った視界に宿る

神の神子は幻でしょうか

いいえ誰でも

痛みに耐えかね

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【詩】1週間

【詩】1週間

生と死の境

夢見る白昼夢

深刻なふりした

月曜日

ごめんなさい

いなくて良い理由

探してただけなの

火曜日

慣れ果ての意志

赴くまま

深淵に立つ

水曜日

善意の反対は悪意

誰が決めたの

憤怒の色は青色だと知る

木曜日

厭らしく

濃く煮立てた味噌汁に

思いやり探す

金曜日

夕まずめ

死んだ魚も翻る

生命の轍美しい

土曜日

再见

いつの日か

見返り美

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【詩】何者にもなれない人たちに捧ぐ

【詩】何者にもなれない人たちに捧ぐ

何者にもなれない人たちに捧ぐ

愛の歌があるならば

班を押すように味気ない

ゴミとさえ認識されない日々の中でも

蝶のように舞い

天まで舞い上がることができるでしょう

何者にもなれない人たちに捧ぐ

愛の歌があるならば

心の美しい人が笑うときの

鈴なりの声で

心癒やすことができるでしょう

何者にもなれない人たちに捧ぐ

愛の歌があるならば

死んだ鯛の目に宿った野望でさえ

恐れ慄

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【詩】memory

【詩】memory

思い出は誰そ彼

種のついた綿毛のごとく

宙に舞い消える

金剛石のついた

特別ないくつかを除いて

私たちは記憶することすらも

許されない

この不自由な身体は

いつの日か

根下ろす種が芽吹いた時

花園に驚き高ぶるための伏線か

壊れないでいるための応急処置なのか

取りとめない問いが

星となり廻る

眠れぬ夜

今しかそばにいられない

柔らかく小さなカラダ抱き寄せて

この今だ

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【詩】Diversity

【詩】Diversity

紫色がセンセーショナル

だった時代はとうに過ぎ

時代はもはやレインボー

のふりをした黄色いヒヨコ

狂気を秘めた和毛の奥に

金色の刃を持ち構えている

多様性を謳い

多様性に縛られ

多様性の奴隷となり

…果たして多様性とは何だったのか

今はもう思い出せない

かわいそうなひよこたち

いつかニワトリになれるのか

突然変異を交配し続けた

私たちの行く末が

通り一編になる訳はない

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【詩】“あ“

【詩】“あ“

“あご“の痛み

“あし“の痛み

“あたま“の痛み

“あ“のつくところが

全部痛くて

怖いんです

私の“あ“が病んでいるのでしょうか?

それとも

“あ“の呪いをかけられたとか?

…思い当たることがあるんです

この間まで仲良くしていた

“あの人“と連絡が取れないんです

最近はあんなに好きだった

“あんぱん“よりもメロンパンに惹かれるし

最近”アルコール“も体が受けつけなくて

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【詩】袋小路

【詩】袋小路

馴染めない

親子愛

ほんまかい

しょうがない

胴回りがもたつき

天井も廻る

ハプニングをホイップしても

つまるところ

クリームにはならず

よって

美味しくはならない

パラドックスの網にかかった

しがないネズミの私めに

できることと言ったら

ただあなたのお身肌を噛みちぎることだけ

許してください

生かしてください

死ぬまでで良いので

どこまでも

【詩】desire

【詩】desire

完膚無きまでに独り

誘惑推し量る

故に理性崩壊

欲望の偶像としての

オクトパス

8本腕は

too convenient

過ぎたるは及ばざるが如き

あれも欲しい

これも欲しい

もっと欲しい

欲望の∞ループ

【詩】細胞

【詩】細胞

望まれず増え続ける身体が

止まらない明日に向かい

とめどなく桎梏の願いの

報われない骸の山を作る

一つの町の土台となる

我が悲しみの連鎖

生まれた時から檻の中

死んだら出れるは幻想か

大地に屹立する

悲哀の山に

上る朝日はあるのだろうか