レイプされる夢
最近、ずっと胸の上がむかついていた。
「吐き気」と言えるほど明確なものでもないし、かといって意識しないで済むほど小さいものでもなかった。
今日もあいつがいる
そんな小さな小さな不快感と共に過ごすこと数週間
日常生活には何の支障も出ない。
仕事が疎かになるわけでもなければ、食欲や睡眠欲が妨げれることもない。
ただ、なんか気持ち悪いだけ。
でもそんなあいつも、今日、はじめて、顔を出した。
「何もないと思っていたのかもしれない。いや、何もないと思い込みたかったのだろう。でもそれは叶わない、残念だな」
大量の汗、震え、恐怖、涙
声にならない叫び
それはただの夢だった。
そう、本当にただの夢。
私の不安や不満、思い込みが生んだ、「悪夢」という名の被害妄想。
「でも確かに、そこには君がいただろう?」
泣きながら、必死に助けを呼び、もう死にたいと思いながらも殺さないでと叫ぶ。
誰かが言っていた。
「精神的に死にながら、生きている人間は多い」
なんとなく、その言葉を思い出す。
自分が死んでいるのか生きているのか、わからなくなった。
自分自身に、自分の世界に、他人の世界に絶望し、毎日雨が降り続けているようなそんな私の精神は、もう既に死んでしまっているのではないだろうか。
誰か教えてほしい。
私は生きているのだろうか?
私は死んでいるのだろうか?
「その答えを他人に委ねている君は弱く脆く、そして醜い生きた屍のような醜悪さだよ」
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