スタグフレーションと傘

日本は現在、生活必需品のインフレが始まっているわけですが、生活必需品以外ですとスタグフレーションが始まっている状態だというのが正しそうです。

正確な言葉の定義はここではしませんが、生活必需品はコストプッシュによる価格上昇が起きていて、消費者はこれを飲まざるを得ない状況になってきています。これに対し生活必需品以外のものに関しては、コストプッシュによる価格上昇に対し、消費意欲の減退からくる売り上げダウンを原因とした価格調整のため、デフレでもインフレでもないスタグフレーション状態になってしまっているわけです。

鳥インフルエンザ要因と輸入飼料価格やガソリン代の高騰により卵の値段が二倍以上に跳ね上がったのは記憶に新しいです。鳥インフルエンザの影響が収まった後も、卵の価格はある程度高止まりしていますが、これは生活必需品であるがゆえに消費者が買わない選択を出来ないからでもあります。

世の中の品物が全て生活必需品であるならば、ディマンドプルであってもコストプッシュであってもどちらでも世の中はインフレになっていき、同時に労働者の給与も上がっていくので景気は悪くならないまま、ゆっくりと貨幣価値が下がってゆくという事が起こります。この状態ですと働いた分だけ得をするので、社会全体が働いた方が良いという状態になり、行きすぎなければある意味健全な社会状況が生まれます。

しかし、実際には生活必需品以外の製品がたくさん存在するため、それらを扱っている企業は疲弊し、従業員給与を上げることもままならず、景気の足を引っ張ることになります。
そして、働いても給与が上がらない人と上がる人の格差が広がり、何らかの理由で働けない高齢者のような人々の存在も相まって、貨幣価値そのものは下がり続ける中で不健全な社会状況が生まれてしまっているわけです。

さて、雨が降ったら使われるという性質の傘は生活必需品のように感じます。
もし生活必需品であれば傘の価格は上昇し、そうでないならば一時的に上昇した後、徐々に下がっていくはずですが結論から言うと傘の価格は一時上昇した後、現在下がってきています。

傘は生活必需品ではないということになるのでしょうか?

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