傘の生産地

傘の部品の生産地は現在主に中国なのですが、傘生地の生産地は日本を含め色々な場所であり、中国が全てというわけではありません。ちなみに、生地の生産地が傘の生産地になることは非常に多く、日本製という傘はほとんどが日本の生地を使って作られています。

骨やその他パーツは中国で作られたものを日本に輸入して、日本の傘生産者が検品して使っている場合がほとんどです。つまるところ日本の傘が故障しにくいのは、日本人が少量でも丹念に検品しているからであって、部品が日本製だから故障しにくいわけではないのです。

ちなみに、近年では中国での検品レベルがかなり上がっています。しかし未だに中国で作られた製品が故障しやすいというのも体感として未だにあります。なぜなのでしょうか?

これは国の違いによる検品レベルの問題ではなくて、そもそもの数が多すぎるからではないかと推測できます。日本で10万本チェックするのは出来ますが、中国では一億本単位をチェックしなくてはならないわけですから、当然漏れが出てきますよね。ですからコストも考えると仕方ない事なのだとは思います。

もちろん不良品が嫌だと考える人は、検品にコストをかけた高い傘を購入することでそれを回避できますから、生産者とお客さんの間には暗黙の了解が成立していると考えられます。

さて、ではなぜ生地を生産している場所で傘が生産されることが多いのでしょうか?それは傘を生産する上での原材料費の大半が生地代だからです。そして、輸出と輸入には一般的に関税がかかるため、原材料費の安い部分は国境を越えても多くの関税は取られませんが、原材料の高い生地を越境させると高い関税がかかってしまいます。傘の生産者は基本的にこれを避けるようにしているため、主に傘生地を生産した国で傘を生産しているわけです。

このように傘部品の生産は99%が中国ではありますが、縫製地は全部が中国というわけではありません。関税がかからない国で最終縫製だけをするケースもかなりあるので傘の生産国は色々ある事になってはいます。とはいえ総じて中国での生産に何らかの問題が生じた場合、傘の業界は全体がストップすることになるので、中国が全世界におけるほぼすべての傘の生産地と言って間違いないと言えます。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?