ネームバンドや胴ネーム
前回話をした傘袋と若干異なるのですか、傘を畳んだ時にまとまりが良いようにする部品にネームバンド、胴ネームというものがあります(以下ネームバンドに統一)。これは傘を畳んだ後、傘生地が広がらないように一週ぐるりとひも状のものを巻き付けて縛る部品です。また、露先部分だけを縛る部品に口元ネームバンドというものもあります。
さて、これらの部品は傘を閉じたとき傘が出来るだけ細い棒状になるようにするための部品であり、一番良い状態は傘袋に収まって傘生地のひらひらが出ない事になります。しかし、傘は雨に濡れた状態で使うものですから、濡れた状況で傘袋を傘に装着するのは非常に困難です。それか困難であるからこそ、店の出入り口に雨の時に設置される傘袋装着機のような巨大専用道具が開発されているわけで、雨に濡れた傘を個人が手早く傘袋に入れるというのはなかなかに困難ですよね。
そこでネームバンドの出番という事になるわけです。
確かにネームバンドは傘の濡れる部分についている部品であり、傘をさしている間は濡れてしまってるため、傘を畳む際に手を少々濡らすものではあります。しかし、取り付けに安価な部品であり、この部品がないことを考えると傘の運用が著しく不便で不快になることから、この部品はあった方が良いものだと考えられます(ちなみにこれをなくして傘の機構を根本から変えている製品もあるのですが、現状は高価すぎてコストには見合わない感じです)。
ちなみに、このネームバンドによって傘をくるりと巻く際に、それぞれの「ひだ」が一定間隔になっているととても気持ちが良いのですが、濡れている時にそれをやってもうまくいきにくいですし、手で濡れた布面を何度も触るのは傘生地にとっても良くないので、気にせずに一発で巻き取ることをお勧めします。濡れている時に跡が付くのではなく、乾く時に跡が付くので、濡れているときにひだを一定に保つのはあまり意味がないからというのも理由の一つです。
そして、傘を陰干しした後は丁寧に畳んで、乾いた傘をネームバンドできれいに揃えると使用者としても周りから見ても気持ちの良い状態になるわけです。折れ皺もこの時につくようにすることで、傘の見た目が気になる方も安心の運用が出来ると思います。逆に言えば、変な皺が付いてしまった場合、一度濡らしてから軽く温めた後陰干しすることで、一定の修復効果がありますのでそちらもお試しください。
というわけですので、ネームバンドは雨の日には丁寧にきれいさを維持しようとはせずに、雑に使っていただけたら良いという話でした。
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