自堕落少女に野心はない / shakainu

目を瞑ると世界は広い
現実はそんなにステレオじゃない
朝、目は醒めない
どんな靴を履いたってどこにも行けやしない
少女はまだ痛みを知らない

美しさに憧れる日がある
髪に椿油、頬に蜂蜜を塗りたくって全身にミルククリームを這わせる
骨の髄まで残さず喰らい尽くして欲しいと願いながら
痛みと、知らないものと、見せられることがあれば目が溶けるまで泣くかしらなんて
馬鹿らしい空想、次の日には飽きてしまうことも日常で

ほんとうのあこがれは坂口安吾
でも私、少女として存在しているのだから彼にはなれない
彼のまねっこしたって偽物にもなれない
坂口安吾にパンパン娘になれよと強引に言われたい
新しい私が見たい