血の水たまりで寿命を待ってる / shakainu

押し寄せて来るのは感動の波。わたしは泣きたくなって、しかし、波には乗れず、欲求は具体性を求めて頭を痛めつける。痛い、痛くて眠れない。
わたしは泣くために物語を探す。
安っぽいものは食べられない。
頭の中で犬が死んだってそれは仕様なのです。
曇り空はやく飽和してざあざあ雨を降らせてくれって地団駄ふんで、どうにもならないから代わりに血を流した。

生クリームが乗っている飲み物うまく飲めない。ぐるぐる混ぜようとしてもストローの差し口がべたべたしちゃう。
わたし所在がない。
そのくせ身体は一人前に大きくて、ひとりでいるのにもお金がかかる。

死んだって遺灰になるんならはやく透明になりたいよ、わたし。