少女と男 / 菫雪洞

水面下の剣、満月のもとに兎
光の瞳の涼しさに
宝石を散りばめたこの眼差しは
一夜の貴女に衣裳を着せて
永遠にしてしまった
もう二度と会わないだろう
二度とそこへ行かないから

ナイトテーブルの端にペンを置き
裏表紙を閉じたなら
辛苦と妙なる衝突
等しくなにも知らなかったふたりの衝突が
今はきみだけを先に行かせて