夏痩せて微熱 / 鯨野 九

夏の終わりに
熱病は醒めて
リハビリのように
老いてゆくだろう

死んだふりで
隠れてみても
まどろみのように
のたうちまわって

泣きたい想いで
優しい手つきで
痩せた骨を抱く
私に潜む灰色を

夏の終わりに
微熱を繋いだ
リハビリのように
憔悴を引きずって

死んだふりで
諦めきれずに
まどろみのように
生きてゆくだろう