1万円のレコードプレーヤーからSL-1200MK5へ買い替えた -1.その顛末
「MOTHER」サントラ盤のレコードが出るというニュースを見てレコードプレーヤーの購入を決断し手元にやって来たのが去年の年末だったので、レコードを聴き始めてちょうど1年くらいということになる。
ただ聞いたこともないメーカーの、インスタ映えだけを意識したようなデザインでスピーカー内蔵で7000円、とかの奴は買う気になれなかったので、オーディオテクニカAT-LP60Xをヨドバシで安くなってたタイミングで購入。それから1年間、そのプレーヤーでレコードを聴いていた。
オーテクのプレーヤーの音質には特に不満は抱いていなかったものの、その他の部分でいくつかの不満点・・・主にベルトドライブという方式を採用しているが故の・・・があって、そういうわけでゆくゆくはもうちょっといい、ダイレクトドライブのプレーヤーが欲しいなーとなんとなく思いながら過ごしていた。
そんな中、EP盤やゲームソフト漁りに潜ったハードオフでAmerican Audioのジャンクのターンテーブルが転がっているのを見つけ、「これでいいんじゃない?」と思ったのが発端だった。その後なんだかんだ調べたり試算したりして「ボロボロのジャンクを買うくらいなら、新品で買った方がリスクヘッジもあるし総合的には安い」という結論に至り、じゃあパイオニアのPLX-500あたりか?と思っていたら「テクニクス以外のターンテーブルは全部OEMで同じ会社が作ってるから、テクニクス以外はどれ買ってもほとんど同じ」という情報に行き当たってしまった。という事は新品で売ってるパイオニアもジャンクで売ってるAmerican Audioも中身はほぼ同じという事になる。
3000円のジャンクと39800円の新品の中身がほとんど同じかあ・・・と思っいながらまたハードオフをうろついていたら、同じ店内にテクニクスSL-1200シリーズが並べられている一角が存在する事に気づいたのである。しかもそこを見ると、ダストカバーの無いSL-1200MK5が3万円で置かれていた。
SL-1200といえば、誕生以降世界中のクラブで毎夜触られ擦られ酷使され、しかしとにかく壊れないという質実剛健を地で行く、日本が誇るターンテーブルのデファクトスタンダード。そんなプレーヤーの第五世代目という比較的新しいモデルが、3万円。
「数千円のジャンクか」「約4万円の新品か」の間に現れた「3万円で買えるマジで壊れないSL-1200の中古」という選択肢は非常に魅力的で、かなり悩んだ。具体的に言うと、1か月くらい。幸運だったのは、この田舎のハードオフでDJが使うようなターンテーブルに興味を示す人が居なかったのか、その間も売れずに残っていてくれたことだ。一点ものの中古というのが「そのうち買えたら」から「買ってもいいかも」へ後押しされた理由でもある。
でまあそれなりに悩んだわけだが、1年間で結構な数のレコードを買っているので無駄な投資にはならないだろうというのと、これからもレコードを買うならオーテクのプレーヤーに感じていた不満を解決した方が良いというのもあり、思い切って購入してしまったという訳だ。11キロほどもある金属の塊を歩きや自転車で持って帰れるわけはないので家族に車を出してもらったが、その帰りの車中、きっと気持ち悪い顔をしていたと思う(そしてそれはかつてmicroKORG XLやMS-20mini等のシンセを購入したときと同じ顔だっただろう)。
あいにくカートリッジはついていなかったが、ちくちく溜めたpaypayのポイントとサウンドハウスのアプリのポイントがあったので、オーテクのAT-VM95Cという入門機的な位置づけのモデルをタダみたいな値段で買えた。あとフォノアンプも必要だったが、遡ること数か月前、オーテクのプレーヤーの機能改善に使えないかとジャンク2000円のDJミキサー(Numark製)を同じハードオフで購入していた。結果、パイオニアの新品より安いくらいで環境が整ったことになる。
なにしろ何も考えず使えるオールインワンプレーヤーからの買い替えなのでゼロバランスが~とか高さ調整が~とか分からないことだらけだったが、パナソニック公式の説明書やDiscogsのページを見つつ不慣れなりにセッティングを終え、とりあえずいろいろなレコードを聴き直してみている。安価なプレーヤーからしっかりとしたターンテーブルに買い替えて、レコード再デビューといった感じだ。
久々に続く。次回は買い替えて変わった・良くなった点を書いていくつもり。
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