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好きなポッドキャスト番組

 Spotifyでポッドキャスト番組をよく聞いている。色んな番組があって耳さみしいときにちょうどいいのだ。ジャンルはお笑いから経済評論まで多岐にわたっているが、「ラジオ番組」ほど形式ばった型を持たずに配信してる番組が多く、スマートフォンがあれば基本的にいつでも聞ける「気安さ」がある。これがポッドキャストの良さだと思う。
 長期にわたってやっている番組もあれば、時期限定でやっている番組もあるので、結構ころころ聞く番組が入れ替わっていく。なので2023年4月時点での私が好きなポッドキャスト番組をメモ代わりに紹介しておこうと思う。
順番はてきとー。

アンガールズのジャンピン[オールナイトニッポンPODCAST]

 お笑いコンビ、アンガールズがパーソナリティを務めている。毎回、田中の「いや~悔しいねえ」の一言で始まり、ヤンキーへの怒りや、芸能界での出来事を”負け組”というポジションから面白おかしく語っていく。ぜんぜんキラキラしてない番組であり、下ネタや負け惜しみのオンパレードである。でもそれが良い。田中の放つ負け犬の遠吠えは、聞く側の気持ちを豊かにしてくれる遠吠えだ。そしてこの番組は山根という男の魅力に気付かせてもくれる。田中がわーわーたぎっている隣で、常にニュートラルな態度を取りながら言いたいことを言ってくれる山根の存在はとても安心感がある。下に貼った回は田中が彼女にプロポーズしたことを報告する回なのだが、それに対する山根のナチュラルな態度がとても素敵だ。

GREEN IMPACT~地球を救う、ヤバいビジネス

 いま注目のトピックである「グリーン経済」をテーマに最先端のビジネスやテクノロジー、起業家たちに焦点をあてるトーク番組。毎回その道のプロや識者をゲストに呼び、ホストの二人と語り合う。最新回では気候学者をゲストに、「地球の平均気温が1.1度上がると何が起こるのか」ということを研究結果をもとに解説してくれる。未来を予測する際の「モデル」をイメージさせてくれる、そんな番組。

佐久間宣行のオールナイトニッポン0(ZERO)

『ゴッドタン』や『あちこちオードリー』など様々なお笑い番組の制作に携わる、元・テレビ東京のプロデューサー佐久間宣行がパーソナリティを務めるラジオ番組。46歳で既婚者、娘がいる「おじさん」がそのトーク力を活かしてしゃべりまくる。彼がこれまで培ってきた人脈を活かして呼ぶ豪華なゲストとのトークはお笑い好きなら聞き逃せないだろう。いわゆる「業界の人から高く評価される番組」なのだが、ゲストのいない通常回も、カルチャーの話題を中心に楽しく聞かせてくれる。
 最近の中でおすすめの回はゲストに「かもめんたる」が来た回。槙尾のすべり具合と、それに対して冷徹な態度を取るう大先生、それを笑いながら聞く佐久間宣行という、3人のコントラストが面白い回です。

TBSラジオ「アフター6ジャンクション」

 ヒップホップグループ・ライムスター宇多丸の聴くカルチャー・プログラム。月曜日から金曜日まで毎日夜にやっている番組で、映画・音楽・本・ゲームetc……縦横無尽に「カルチャー」の話題を語りつくす。現代社会に存在する「おもしろい」ものであれば基本的にジャンルを選ばない懐の広さもあり、まだ注目されていない独自視点の「いいもの」を紹介してくれる点も信頼がおける。下記の回はコーヒーについて深掘りしており、豆の品種から始まり、コーヒーについての過去・現在・未来を識者に解説してもらった良回。

福田と南のAlways Together

 3時のヒロインの福田麻貴と、オドるキネマの南がパーソナリティを務め、二人が日常で思ったことや、昔の思い出をつらつらと語り合う番組。おおげさな反応をあまりせず平坦なテンションで進行するのだが、ふたりとも学生時代から今に至るまで比較的充実した日々を送ってきたということを隠さず言うところに独特の面白さが乗っかっている。リスナーからの質問やネタメールについてもずばずばと言いたいことを言い放つ姿勢は気持ちが良い。人によっては上から目線に感じられてノれない可能性もあるが、深夜ラジオ好きほど新鮮に感じる番組だし、意外とこれが癖になる。

星野源のオールナイトニッポン

 去年の9月からポッドキャストでも配信を開始した人気番組。星野源の気取らない態度や、リスナーもスタッフも含めた和気あいあいとした雰囲気が魅力的。特にリスナーの質が高く、星野源やスタッフをいじりつつ番組を下支えしてくれている。優秀なメールを送ってきたリスナーに送る「ねぶり棒」の効果音や、ジングル等、音楽方面から耳を楽しませてくれるのもこの番組ならでは。お気に入りのコーナーは、星野源とスタッフが音声によるお芝居を繰り広げる「星野ブロードウェイ」。毎回ぐだぐだで、この回も馬鹿さとゆるさが同居しててなんだか癒やされる。

BUSINESS WARS / ビジネスウォーズ

 世界のライバル企業によるビジネス戦争の舞台裏を、ストーリー仕立てに説明したエンタメ番組。最新シーズンではファストファッション企業の熾烈な戦いを語る。スウェーデンの企業H&Mのアメリカ進出。ZARAの躍進。流行の服をいかに安く、大量に、効率よく消費者に届けるか。大量消費と大量廃棄による世間からのバッシングと、サステナブルファッションという志向。激動の商業戦争の中に生まれる人間ドラマは胸が熱くなり、様々な感化を与えてくれるだろう。

真空ジェシカのラジオ父ちゃん

 人気芸人コンビの真空ジェシカがパーソナリティを務めるポッドキャスト。毎回つかみが面白く、お決まりのやりとりも安定した楽しさがあります。ただし、ネットスラングや、お笑い界の内輪ネタ、唐突なマンガネタなどを平気で投入してくるので新規に優しくない番組です。でもハマるとめっちゃ面白い。二人のかけあいや、それぞれのコーナーには味があり、飽きさせません。基本的にはかなり下ネタが多い番組なので、ひっそり聞きましょう。
 おすすめ回は、Twitterでいいねほしさに巧妙な嘘をついている芸人に直接電話をかけて事の真相を問いただした企画回。

ねほりんぱほりん を ねほりはほり

 聞き手の山里亮太とYOUは「モグラ」に。顔出しNGのゲストは「ブタ」に変身し、人形だからこそ話せる赤裸々な話を掘って掘って掘りまくるNHKのトークショー番組「ねほりんぱほりん」を、ねほりはほりする、というのがコンセプト。前半と後半に分けて作られており、前半は過去にテレビで放送したお話を再編集してお届け。後半は番組制作に携わったスタッフからの思いを聞ける。
 少し変わった趣味や、人生を送っている人たちの赤裸々な言葉は耳を傾けたくなり、その言葉を引き出すために制作者たちがどのように制作したかを熱く語る。一聴の価値ありです。

オールナイトニッポンPODCAST 土曜日

 月替わりで今話題の実力派芸人がパーソナリティを務めるお笑い系ポッドキャスト。いわゆる青田買い的な人選で芸人が選ばれることもあるので、良くも悪くも芸人たちの真価が試される。そのため気合いが入りすぎて空回りする芸人もいれば、ラジオの才能をバリバリに発揮してくる芸人もいる。この宝探しにも近い感覚が楽しく、気に入ってます。
 下記のエピソードは「怪奇!YesどんぐりRPG」が担当した回であり、おそらく番組史上最大の問題回。この悪ノリをそのまま流してくれるのもこの番組の懐の深さか、あるいはスタッフもグルの悪ノリか。

ロケショーplus

 歪んだ視点と、愛のある視点を同居させながら世の中を見つめるマルチタレント、ふかわりょうのトーク番組。放送作家、平松政俊とのゆるゆるとしたトークは聞いてて肩の力が抜けます。軽妙さとも明るさともほど遠いがなぜが毎週聴きたくなる。たぶん「なぜか聴いちゃう」ってポッドキャスト番組にとっては最高の褒め言葉で、説明しようのない良さがあるってことなのだ。ふかわりょうの頭の中を言語化したエッセイラジオとも言えるので、ハマってしまうと置き換え不可な唯一無二の番組になる気がする。

真夜中のテレフォン

 様々な芸人が、今電話で話したい人に電話して、自由におしゃべりする番組。普段聞けないプライベートな話や、人間関係を知ることができるのでドキュメンタリー度が高い。現在視聴途中なので最新回まで聴けていないのだけど、とろサーモン・久保田が結婚を考えた元カノに電話する回はめちゃくちゃ良かった。弱さも面白さも全部ひっくるめてその人の「人間味」を存分に味わえる番組。

a scope~資本主義の未来編~

資本主義」という現代社会の基盤となっている仕組みをテーマに、どのような仕組みなのか、そしてその未来についてゲストとの対話を通じて考えていく番組。著名な経済学者や社会思想家たちの知見に満ちた話は聞き応えがあり、同時にこれから先、私たちがどのようにアプローチしていくべきなのかについても考えさせる。最新回ではサブカルチャー、メディア、ライフスタイルと多岐にわたる分野で言論活動を行っている評論家・宇野常寛による「民主主義と資本主義の現在位置」が聞ける。

マヂカルラブリーのオールナイトニッポン0(ZERO)

 M-1グランプリの覇者でもあるマヂカルラブリーがパーソナリティを務めるオールナイトニッポン。放課後の部室で繰り広げられる、だらけた部員二人によるだらけた会話。この番組は、そんなゆるく馬鹿馬鹿しい雰囲気が楽しく、まったくタメにならない彼らのかけあいは毎週聞かずにいられない。型が決まっているようで決まっていない自由さも良く、私が愛するラジオ番組「くりぃむしちゅーのオールナイトニッポン」に近い感覚を覚える。どこから聴いても問題ないのでおすすめ回は最新回。ただし、ゲスト回はあたりはずれが大きいので注意。

どうせ死ぬ三人

 ダウナーな三人による、のんびりとしたポッドキャスト。タイトルがひどく後ろ向きだが、内容はカルチャーや日常生活で思ったことをたんたんとおしゃべりするというもの。この人たちがどんな人たちなのかよく知らないし、詳しく調べようとも思わないのは、「何者でもない人たち」の毒にも薬にもならない会話を聞くことで得られる栄養ってやつが確かにあるからだ。毎回楽しみにしてるって訳では無く、気が向いたときに聞いているのだけど、その距離感も長く聞いている秘訣なのかなあと思う。

佐々木亮の宇宙ばなし

宇宙開発」に関する最先端のトピックを「一日10分」という形で伝えてくれるポッドキャスト。パーソナリティの方は天文学で博士号を取得した専門家で、NASAや理研で働いていた経験があるとのこと。天文学者、宇宙スタートアップCEOといった宇宙関係のゲストも度々登場する。「宇宙開発」に限らず、「宇宙」「宇宙人」「天文学」と宇宙に関することなら基本的になんでも取り入れてくるので興味がある方は聞いてみてほしい。

 以上、特におすすめしたい&クオリティが高く聴きやすい番組を中心に選んでみた。全体的にトークのプロがパーソナリティを務め、制作スタッフもプロが関わっている番組が多くなってしまったが、誰でもすぐに参入できる壁の低さがポッドキャストの良さでもあるので、まだまだ発掘されていない面白い番組はたくさんあると思う。
 他には『Hideo Kojima presents Brain Structure』『田中宗一郎 THE SIGN PODCAST』『ハライチのターン』 『オールナイトニッポンPODCAST トム・ブラウンのニッポン放送圧縮計画』『TBSラジオ スペシャルプログラム』なんかも好き。

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