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#メンタルエッセイ60

帽子

頭を守るため、日差しが強い日は特に気をつけます。

日差しが強いと私の脳の怒りの沸点が高くなってしまうので帽子をかぶります。

風が強い日は帽子が飛ばないように手で押さえます。

効率が悪い。打開策を考えます。

風の強い日、通りのむこうから保育園の子供と先生が颯爽と歩いてきます。
良く見ると帽子にゴムひもが。

これだ!
昔、赤白帽で使っていた。
懐かしい白のゴムひも。

『母さん、ぼくのあの帽子どうしたでせうね ええ、夏、薄氷から霧積へ行くみちで渓谷へ落としたあの麦藁帽ですよ…母さん、あれは好きな帽子でしたよ』

映画『人間の証明』より引用
西條八十の詩が劇中で語られていました。素敵な麦藁帽が風に飛ばされくるくると回りながら渓谷へ落ちていく美しい光景を覚えています。

『魔女の宅急便』 
児童文学者の角野栄子先生の幼い日の思い出。
お気に入りの白い帽子を、喧嘩した弟さんが汽車の窓から放り投げてしまった。
角野先生は、そのお気に入りの帽子が今でもどこかを飛んでいると思っているそうです。

凡人の私には、このような夢のような素敵な想像はできませんが、帽子は飛んでいった方が物語が広がって
いくものかもしれません。



 

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