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#メンタルエッセイ43

かおりと共に

北国も雪が溶けてくると、少しずつ庭の雪の中から花が咲き始めます。
長かった冬の終わりになると、BBQが始まります。
北国は、駐車場から車を出し駐車場の中でBBQをする人が多いようです。

庭が広かったので、BBQの準備をします。
犬と子供が準備の邪魔をするように、楽しそうに走り回っています。
お肉が焼けるまでに、ビールを取りに行ったり、結構大変です。
お肉もいっぱい用意しました。
安い三割引のお肉でも、BBQの楽しさで誤魔化せます。
お肉も焼けてきたので、おとなりのBBQに参加している気持ちで私もご飯を頂く。

私の実家の横は鰻屋でした。土用の丑の日は鰻のかおりで家中幸せでした。
父は機嫌が良く「かおりだけでご飯が食べられる」と笑っていました。

かおりはわかった。「鰻の美味しさを知らない、食べてみたい」と、大騒ぎになりました。
母はその夜、鰻の蒲焼き?を用意してくれました。
兄、姉、私も喜んで食べました。
「こんなもんか」鰻は高価だと知ってはいたけれど、鰻がそんなにおいしものではないことを知りました。
鰻への感心は薄くなりました。

後日、ゴミを出しに行くと、ゴミ袋の中にサンマの蒲焼きの缶と、鰻の蒲焼きのタレが入っていました。

大人になって、隣の鰻屋から鰻をお願いしました。母は鰻丼でいいからと言っていました。
鰻を食べている、父母を見ると幸せになりました。

梅干し一粒でご飯が三膳食べられるように、日々努力しています。






   



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