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日曜の朝の鴨川

時刻は午前四時三十二分。
私は家を飛び出した。行き先は鴨川。
ルンルンと駆け出し、少し歩いたところで川の匂いを感じる。鴨川も早朝だと言うのに、沢山の人を匿っていた。
ある者は酔っているのか、倒れており、またある者はダイエット中なのか、土手を走っている。
近寄り難い若者の集団からは、微かに鼻を刺すアルコールの匂いとスケボーの音がする。鴨も烏も雀もいる。全てが湿っぽい朝に川と共に流れている。
その川に浮かぶように歩を進めていると、徐ろに日が昇る。
ふいに朝食を思い立った私は、スロープで川端通へ上がり、目に入ったスーパーでわらび餅を買った。
土手のベンチで一口食べる。川を食べている気分になった。
酔ったおじさんも、走っているお兄さんも、若者の集団も、鴨も、烏も、雀も全てきな粉と一緒に私の口の中へ入ってくる感覚がした。
きな粉を吹き飛ばしつつ、全てを受け入れる。周りの音を聞きながら目を瞑り、自分自身も口の中へ放り込んだ。


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