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母子分離不安③

はじめに

今日は小学校1年生で支援学級に通う長女と私が体験した母子分離不安症のその後についてお話ししたいと思います。
娘は自閉症スペクトラム症があり、環境の変化を苦手とします。長女にとって小学校入学はまさに大きな変化であり、それにより不安感が強くなり、最初の1週間で学校に行けないと行きしぶりが始まりました。
私たちは不安な毎日を過ごしながらも、長女の不安が少しでも軽減するように、担任の先生と相談しながら、いろいろと試行錯誤して日々を過ごしています。

対策と取り組み

対策1: 先生は褒める人、お母さんは叱る人

まず最初に取り組んだのが、先生との信頼関係を築くことです。先生には長女が学校で頑張っていることを褒めてもらい、私がやってはいけないことをしたときに注意するという役割分担をしました。

私と長女の信頼関係はすでにできているため、先生との信頼関係を優先するための対策でした。


対策2: 学校でのルーチンを学ばせる

次に、学校でのルーチンを学ぶことに重点を置きました。
先生は教えてくれる人、私は不安なときにそばにいる人という役割分担にしました。運動会の練習など初めてのことで不安がある状況以外では、先生に頼ることを教え、長女の安心感を育てました。


対策3: 少しずつ離れる時間を作る

最後に、少しずつ離れる時間を増やしていきました。
最初は登校から下校まで付き添い、その次は2時間、次は午前中、そして最終的には送り迎え以外は離れるという方法です。少しずつ離れることで、長女も「お母さんがいなくても大丈夫」だと思える時間が増えていきました。


経過と改善

最初の3週間

最初の3週間は本当に大変でした。登校から下校までずっと長女に付き添い、対策1の「先生は褒める人、お母さんは叱る人」を実行しました。

先生が長女の良い行動を褒めるたびに、長女は嬉しそうにしていました。

私は先生が長女と信頼関係を作るためには私が頑張らないと思って張り切っていて、長女が部屋から飛び出したり黒板に落書きしたりすると、体を張って止めたり、すぐさま注意をするようにしました。しかし、常に長女を見張っていなければならい緊張感で、私自身が疲労困憊になってしまいまいました。
家に帰ると、体力も気力も尽き果ててしまい、家に帰ってからの長女のフォローが全くできませんでした。私は自分の疲れを回復することに集中するため、長女には学校から帰ってきて寝るまで、ご飯とお風呂の時間以外はひたすらYouTubeを見させていました。これにより長女とのコミュニケーションがとれず、長女もストレスを感じ始めていました。そんな毎日が続いて、私も「これで本当にいいのか」と不安になりました。


次の3週間

対策1は失敗に終わってしまったため、次の3週間では、対策2の「学校でのルーチンを学ばせる」ということに注力しました。
先生は長女に今の時間は何をすべきかをきっちり教え、私はただそばで見守るようにしました。これにより、長女は学校での過ごし方が分かり、一人でできることも増えていったため、先生に褒められるタイミングが増えていきました。すると困ったときなど、今までは私に頼ってきていた長女が、学校では先生を頼るようになっていきました。先生との信頼関係を築いていくことができてくると同時に、長女の学校での行動も落ち着いてきました。
すると、私の疲れも以前のようにぐったりすることはなくなったので、家に帰ってから、娘と話をする時間が持てるようになりました。
夕食の時間には、その日学校で頑張ったことなどを笑顔で話してくれるようになり、私も「よく頑張ったね」と心から褒めることができました。長女が「今日はこんなことをしたよ!」と嬉しそうに報告してくれるたびに、私も胸が熱くなり、長女をギュッと抱きしめました。長女との触れ合いの時間が持てるようになってからは、娘の心が落ち着いていくのが分かりました。


その後の取り組み

対策3「少しずつ離れる時間を作る」は成功しました。
最初の3週間は1日中付き添い、次の2週間は2時間だけ離れる、さらに次の2週間は午前中だけ離れるという風に進めました。
離れる理由にも一工夫しました。「お母さんは仕事に行ってくるね」「家で洗濯してくるね」だと「仕事休んでよー、洗濯なら自分も手伝うから一緒に帰っていい?」と泣いてしまい、離れられられませんでした。
そこで、お母さん大好きを利用することにしました。「お母さんも健康でいないとね。お母さん今しんどいから病院で治療してくるね。元気になって学校に戻ってくるからそれまで待っててね」と伝えることで、長女もそれならしょうがないと諦めることができ、「必ず帰ってくるよ」の声かけで長女も安心して離れることができるようになりました。


現在の状況

現在、娘は1時間目から5時間目まで母親なしで過ごせるようになっています。学校のルーチンも理解し、休み時間には友達と遊べるようになりました。困ったときは先生に頼ることもできるようになり、自分で時間を過ごす力がついてきました。今は送り迎えのみで、朝は少しだけぐずりますが、それ以外は元気に学校生活を送っています。

長女が「学校楽しかったよ!もうお母さんいなくても大丈夫だよ」と笑顔で報告してくれた時、私は涙がこぼれそうになりました。「長女がこんなに成長してくれた」と感じる瞬間は、母親として本当にうれしいものです。

とは言っても、まだまだ不安を口にすることもあるので、引き続き娘の思いに寄り添い、必要なときはまた付き添いを再開するなど臨機応変に対応できる母でいたいなと思っています。

もし同じような状況で悩んでいる方がいれば、私たちの経験が少しでも参考になればうれしいです。
母子分離不安症を乗り越えた方には、こんな方法が効果あったよなどコメントを頂けるとうれしいです。

それでは、また次回!

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