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初めてのプール

地域の小学校に通う人工呼吸器を装着した重度心身障がい児の1年生の次男が、初めてプールに入った体験についてお話ししたいと思います。
この体験を通じて、プールに入るためにはどのような準備が必要か、また安全に入るための対策についても共有します。



学校との対話

まず、学校との対話が重要です。
最初の話し合いでは、人工呼吸器を装着した次男のプールの授業をどうするかを議論しました。
家族としては、次男にも他の子どもたちと同じように経験させてあげたいと考えていました。しかし、学校側安全性を理由に反対しました。
プールの授業は次男に関わらず他の生徒の命も係わることであるため、担任は生徒32人を見守らないといけないから次男の支援まではできないと言われました。
それに対して私は、みんなの命を守るためには担任に支援はお願いできない、しかし次男には支援の先生がついているから支援の先生にお願いすればいいのではないか、それについてはどう思うか聞きました。
それに対しては、支援の先生は人工呼吸器を装着した児童をプールに入れた経験がないから、支援の先生は不安に感じていると説明されました。
その後も話を続け、最終的に、母親の付き添い、医師の指示書の記載、プールサイドに腰をかけるまでが条件として合意されました。

プールでのサポート体制

次に、プールでのサポート体制を整えていきました。
次男の場合、まず、プールに行くまでに8段の段差があるため教職員の方4人でバギーを持ち上げて階段を登ってくれることになりました。
プールでは私が次男を抱っこしてプールの縁に一緒に座り、看護支援員はバギングを行い、支援員がプールから出る際の準備を行いました。

スモールステップでの慣れ

プールに入ることは始めてだったので、まずは慣れることから始めました。最初の2回の授業では、プールの縁に座って足を水につけることから始めました。低体温になりやすい次男はプールの水に足をつけると体温が下がってしまうかもと心配していましたが、予想と反して体温も下がりませんでした。
プールを出てからも体調の変化がなかったことから、私は次のステップを考えました。浮き輪を使って、プールに入り、他の生徒と一緒に「人間洗濯機」をする。この考えを校長先生に相談したところ、校長先生が支援してくれることになり、私と校長先生で浮き輪を支えながらプールでみんなと一緒に人間洗濯機を楽しむことができました。

実際のプール体験とリスク

プールに入ってみると、他の子供たちと一緒に入ることで私が想像していたよりも波が来たり、水しぶきがあり、気切口から水が入るリスクが判明しました。そこで、気管切開口にタオルを巻いて水が入らないようにする対策を追加しました。

プールに入るメリット

プールに入ることには多くのメリットがありました。まず、さまざまな刺激を受けられることが挙げられます。水の冷たさや気持ちよさを肌で感じられ、水音を聞いて心地よいと感じたり、子供たちの楽しそうな声を聴いて、ワクワクして楽しいと感じたりします。また、プールの中は浮力が働きリラックスできる環境になります。さらに波で自然に足や手が動くのでリハビリにもなり、なんといっても体力がつきます。

デメリットと対策

一方で、気管切開から水が入り、誤嚥するリスクがあります。しかし、プールに入ることのデメリットよりも、メリットの方が多いと感じているため、安全対策をしっかり行いながら、今後もプールの授業に参加していきたいと考えています。


まとめ

この体験を通じて、次男がプールに入るためには準備と対策が必要であることを実感しました。しかし、その結果として得られるメリットは大きく、次男の成長に繋がる貴重な体験となりました。これからも安全に配慮しながら、次男がプールの授業を楽しむことができるよう、サポートを続けていきたいと思います。


この体験が同じような状況にある方々の参考になれば幸いです。プールに入るための準備や対策について、ぜひ学校としっかりと対話し、安全に楽しむ方法を見つけてください。

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