弱者に厳しい環境政策(CFACTの記事)
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2022年7月28日にCFACTは、昨今の環境政策によりもたらされる苦境に関する記事を発表した。内容は、ドイツやガーナなど脱炭素などの環境政策を推進している国が苦境に陥っている現状を指摘し、環境政策がいかに弱者に厳しいかを指摘するものである。環境に優しいという美名の基に、多くの人々が苦しんでいる現状を紹介する優良な記事であることから、参考として本記事の概要を紹介させていただく。
↓リンク先(Green energy policies offer no Help to the Most Desperate)
https://www.cfact.org/2022/07/28/green-energy-policies-offer-no-help-to-the-most-desperate/
1.本記事の内容について
・地球温暖化の集団ヒステリーにより、世界各国が苦しんでいる。このヒステリーは、異常な影響力の組み合わせによりもたらされたものである。科学的に全く当てにならない気候変動モデルによる煽り、グリーンエネルギーへの過度な期待、恐怖を扇動する政治活動家などがその主たる要因となっている。
・まず苦境に陥っている国の代表格はドイツである。ドイツはヨーロッパで風力発電量が最大級であるが電気料金の高騰に苦しんでおり、2021年第二四半期の料金は35セント/kWHであり、これは133か国中15位の水準である。シュレーダー政権から始まった脱炭素の試みはメルケル政権で加速され、火力発電所や原子力発電所が完全停止され、ロシアへのガス依存が高まり、ウクライナ戦争によるエネルギー高騰に苦しんでいる。15年前、EUはロシアの輸出量よりも多くガスを生産していたが、現在は政府がガス田の開発を禁じている。ドイツのエネルギー大手Uniperは、エネルギー不足緊急事態を宣言しており、倒産の危機に瀕している。
・オランダの農家は、窒素を制限する厳格な地球温暖化対策である「グレートリセット」法案に反旗を翻した。本法案は、2030年までに温室効果ガスを49%削減するという2019年気候変動対策法の目的を達成するべく制定されたものであるが、野党の批判によると移民向けの住宅地を開発するために農地を削減するものであるとされている。(2021年現在で移民は11万にも達している。)野党側は、本法案は食料不足に拍車をかけ、不安定な海外へのサプライチェーンへの依存が高まるとして批判している。
・スリランカも脱炭素の犠牲者である。スリランカの農業はGDPの7%を占め、全労働者の30%が従事しているが、中国から輸入した肥料に悪性のバクテリアが混入している事件が発生した後、大きく後退した。肥料不足により、農産物の生産が大幅に低下する所となった。
・西アフリカのガーナは、アフリカ諸国で最も急速に経済成長していたが、環境政策により農業生産が大幅に制限され、経済危機に瀕している。ガーナは国連の気候変動対策の優良事例として取り上げられており、2021年にはEUや世界銀行からの要請で、人工肥料や家畜から発生する温室効果ガスを大幅に削減することに合意した。ウクライナ戦争により肥料不足に拍車がかかっているものの、EU諸国はアフリカ諸国の肥料生産を支援しておらず、各国は更なる苦境に陥っている。
・ドイツのDWニュースの報道によると、アメリカ及びヨーロッパは、南アフリカに対し85億ドルの脱炭素資金援助を公約したとされているが、ガーナのような国には何らの恩恵もない。ガーナはかつては電気の輸出国だったが、現在は度重なる停電に苦しめられており、灌漑に必要な水も確保できない状態となっている。結局のところ、脱炭素の報酬はない。
2.本記事読後の感想
地球温暖化対策は自縄自縛政策であり、経済を不当に抑制し、現在の生活水準を大幅に低下させるのみである。それでいて温暖化抑制にはほとんど役に立たないことから、単なる自傷行為でしかない。このような非現実的な政策は持続可能ではなく、経済的な破綻などで崩壊することは目に見えている。
多くの科学的な問題は技術革新により克服されてきており、プラスチックごみや温室効果ガスによる温暖化への適応などについても技術が解決することになるだろう。こういった方面への支援こそが現実的な政策であり、地球温暖化の主因として確定していない二酸化炭素排出削減に注力することは狂気でしかない。
こういった異常な環境政策はヨーロッパが起源であり、EUを離脱したイギリスですら病的なまでに地球温暖化対策を声高に推進しようとしている。こういった政策にアメリカの左翼が呼応し、メディアを通じてむやみやたらに扇動する事態となっている。声の大きさや下らない扇動に踊らされることなく、現実的かつ科学的な政策を模索してもらいたいものである。
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