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IPCC第 6 次評価報告書はプロパガンダである(ハートランド研究所の記事)

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 ハートランド研究所は2021年8月12日に、IPCC第6次評価報告書についての記事を発表した。内容は、IPCC評価報告書が気候変動の危機を煽り立てる内容になっており、もはや科学に基づいたものではなく、政治的な文書であることを示すものである。日本の環境政策の源泉がこの報告書にあり、今後の経済に大きな打撃を与えると考えられることから、警鐘を鳴らす意味で、本記事の概要を紹介させていただく。

↓リンク先(IPCC REPORT SHOWS DESPERATION, NOT CLIMATE CATASTROPHE)
https://www.heartland.org/news-opinion/news/ipcc-report-shows-desperation-not-climate-catastrophe

1.本記事の内容について
 ・8月9日に発表されたIPCC第6次評価報告書がメディアを賑わせており、気候変動を煽るヘッドラインが躍った。報道によると、本報告書が気候変動を人為的なものとして確定したとしている。これは第5次までの主張の繰り返しであり、ニュース性はないと思われるかもしれないが、その内容は大きく異なっている。まず今回の報告書は、太陽、雲、海流がほとんど気候変動に寄与していないと主張している。政策担当者向けの概要においては、人間がエアロゾルを排出するまで雲が存在しないかのような記載となっている。水蒸気は温室効果ガスの97%を占めているにも関わらずである。また太陽の効果についても実質的に無視しており、政策担当者向け概要8ページ目のグラフには全く反映されていない。太陽活動周期についても何ら言及されておらず、影響のない単なる内部変数として扱われている。
 ・温暖化、海面上昇、気象現象の激甚化などが気候変動によるものとされているが、統計的に有意な増加は見られない。報告書は自然現象をうまくモデル化できていないため、これらを全く影響がない要素として捨象してしまっており、人為的要素のみを特筆して列挙している。更に、新しいモデルによって、人為的な気候変動が確定したと主張している。
 ・本報告書の予測は、CMIP6モデルに基づいているが、このこと自体が欠陥である。CMIP6モデルを作成した科学者たちは、過大な温暖化予測をし、過去のモデルよりも精度が悪化していることを認めた。例えば、一世代前のCMIP5モデルは、2.1℃~4.7℃と予測していたが、CMIP6は、1.8℃~5.6℃となっており、実際の観測値よりも課題になっている。(報告書本文の第1章の表1.2 47ページ目を参照)
 ・好意的に解釈すると、CMIP6モデルの問題の欠点が分かったのが発表の1週間前だったため、修正が間に合わなかったとも言えるが、コロナ対応で報告書作成が1年遅れていたことや、査読での指摘が2年以上前からなされていたことを考えると、この解釈は成立しない。実際にはIPCCは問題を知りながら温暖化を煽るよう科学を歪曲して用いていたのである。そもそもIPCCは科学者の集まりではなく、政治的集団であり、その最終目標は世界の経済をコントロールすることである。

2.本記事読後の感想
  ついに登場したIPCC第6次評価報告書である。期待したとおりと言うか、危機を煽るばかりの、非科学的な内容だと言える。その他、IPCCの構成員はジェンダーを重視してできる限り男女同半数になるよう努めているとのことで、初めから極めて政治的で非科学的な体制であると言わざるを得ない。今後、この報告書が基礎となってどのような煽り文句が出てくるのか、どのような無理な政策目標が設定されるのかを考えると、暗澹たる気持ちになる。ただ出てしまったものは仕方がないため、機会を取られて批判的に検証する記事を発表していきたい。
 また、IPCC報告書そのものについても情報を補足しておきたい。まず報告書の構成は、政策担当者向けの概要、科学的根拠についての概要、報告書本文となっており、その他補完的なものとして、ファクトシートがある。概要については割合短いものの、本文は3000ページ以上となっており、とてもではないが全てを読むことはできない。このため、十分に評価するには公式発表される予定の翻訳を待ちたいと思う。ただ、各省庁共同(文部科学省、環境省、気象庁)の報道発表資料からは、本記事で指摘された内容については全く読み取れないため、翻訳そのものが国連の意図を忠実に再現してしまっている可能性もあり、額面通りには受け取らないようにするべきだろう。
  気候変動対策に関しては、相手が非常に手ごわく、投資家までが味方になっているなど、これまでにない最大の脅威と言っていい。この流れに抗するには、一人一人が正しい知識を身に付け、科学的に思考することができるようになる必要がある。微力ではあるが、私も記事の発表を通じて皆様に有益な知識や情報を提供できればと思う。

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