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ワシントン州の天然ガス禁止条例を巡る攻防(CFACTの記事)

写真出展:marcinjozwiakによるPixabayからの画像https://pixabay.com/ja/users/marcinjozwiak-12652484/?utm_source=link-attribution&utm_medium=referral&utm_campaign=image&utm_content=4846741

CFACTは2021年9月4日に、ワシントン州スポケーン市における天然ガス禁止条例に関する記事を発表した。内容は、スポケーン市での住民投票について解説したものである。アメリカの左翼的環境政策の行きつく先が分かる良い内容となっていることから、本記事の概要を紹介させていただく。

↓リンク先(Spokane citizens spark fight over natural gas ban proposal)
https://www.cfact.org/2021/09/04/spokane-citizens-spark-fight-over-natural-gas-ban-proposal/

1.本記事の内容について
 ・ワシントン州のインスリー知事が、ワシントン州全体に及ぶ新規天然ガス接続を禁止する条例を制定しようとしたが、2021年の市議会にて否決されたことから、スポケーン市は市内のみの規制を課そうとした。
 ・市議会への取材によると、本規制に伴うコストや実現性、代替可能エネルギーについては考慮しておらず、更にこの禁止措置の持続可能性について検証していなかった。(カリフォルニア大学の最近の研究によると、天然ガスボイラーからヒートポンプへ移行した場合、炭素の排出量は純増するという結果となっている。)
 それだけでなく、2023年までにすべての種類のガスの新規接続を禁止し、全ての過程に太陽パネル設置を義務化する提案も含まれていることが明らかになった。(イギリス政府の研究によると、地熱ヒートポンプの導入には、1家庭当たり約4万7000ドルを要するとしている。)
 ・この動きに対し、スポケーン良き政府連合体(SGGA)はクリーンエネルギー保護法案を提案し、この規制に対抗しようとした。更に本規制に反対する署名を集めることに成功し、住民投票に付そうとした。しかしスポケーンの環境団体は、住民投票による差し止めは、建築物に関する条例を阻害するものとし、クリーンエネルギー基準を充足するのに間に合わなくなるものとして、却下されるべきと主張した。このことを受け、市はスポケーン市最高裁に訴え、住民投票に付さない判決を勝ち取ったことから、SGGAはワシントン州東部第三管区控訴裁判所に差し止め訴訟を提起した。9月1日のオンラインヒアリングの結果、差し止め訴訟は却下されたが、住民投票それ自体が否定されることはなく、今後の動きが注目される。
 ・SGGAは、環境政策に伴う影響についての普及啓発に取り組むと語っており、住民が政府の決定について事実を知り、権利の保護に尽力することとしている。


2.本記事読後の感想
  ついにここまで来たかと思わせる記事である。我々はレジ袋やプラスチック製品の課金で済んでいるが、実際には生活全般に及びうるものなのである。
  日本の環境省も同様の動きを見せており、このままでは規制がどこまで課されるのか不安になる。ではなぜここまで規制を課すのかというと、環境省は財務省の植民地的位置づけにあり、事務次官も財務省出身者がなるという事情が、環境に関する税や値上げなどの政策を推進する方向に行く理由なのだろう。現事務次官の2020年7月の就任あいさつで、炭素税の導入について語ったことが一時問題になったが、本来、税種目の創設や導入などは国会の専権事項であり、事務方が論じてよいものではないはずである。(事実、国会答弁で当時の矢野主計局長が本件について、この種の説明を行っていた。)
  このようなことを唯々諾々と受け入れていると、最後には今回の記事のように特定のエネルギー使用禁止措置にまで至ることになる。実効性のない建前論的な政策には皆嫌気がさしていることだろう。反旗を翻す機運はそこはかとなく感じられており、今回の総選挙で環境政策にしっかりした認識を持つ議員に投票することで、日本国民の意思表示をするべきだろう。
 
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