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イノベーションを保護するハミルトン委員を設立(ハドソン研究所の記事)

写真出展:kevinriceによるPixabayからの画像https://pixabay.com/ja/users/kevinrice-7015204/?utm_source=link-attribution&utm_medium=referral&utm_campaign=image&utm_content=3429542

 ハドソン研究所は2021年5月21日に、国家安全保障に関するイノベーションを保護するため、ハミルトン委員会を設立することを発表した。内容は、日本で言うとNSC経済班の民間版のようなものである。日本でも参考になることから、本記事の概要を紹介させていただく。

↓リンク先(Hudson Institute Launches the Hamilton Commission on Securing America’s National Security Innovation Base)
https://www.hudson.org/research/16933-hudson-institute-launches-the-hamilton-commission-on-securing-america-s-national-security-innovation-base#

1.記事の内容について
・ハドソン研究所は、アメリカの国家安全保障イノベーションの基礎を確保するための、ハミルトン委員会設立を発表した。この委員会は超党派の議員及び引退した政治家などから構成されており、国家安全保障や防衛のイノベーションにとって重要な経済分野を検証することを目的としている。
・本委員会は、リチウムイオン電池、半導体、先端複合素材などの分野の他国依存を脱却し、リーダーシップを取り戻す政策提言をすることを表明している。その他、サプライチェーンの構築についても提言する。
・注目すべきメンバーについては、以下の通り。
 マイク・ギャラガー:共和党下院議員(サイバー空間ソラリウム委員会共同委員長)
 ステファニー・マーフィー:民主党下院議員(ベトナム系 本委員会に悪影響を及ぼしかねない不確定要素と思われる)
 アンソニー・ヴィンチ(非常勤上級フェロー 新アメリカ安全保障センター 民主党系)
 キンバリー・リード(元合衆国輸出入銀行総裁 トランプ元大統領に近い人物)

2.記事読後の感想について
 アメリカが羨ましくなる記事である。シンクタンクが優れているだけでなく、そうそうたるメンバーがそろっており、党派を超えて戦略を構築するという姿勢が見える。今後は、ホワイトハウスや議会だけでなく、ハミルトン委員会の動きにも注目していきたい。
それに対して日本のシンクタンクはと言うと、残念ながら裾野が狭く、ここまでのレベルのものを設立する力はない。政策提言については決して劣らないと思うが、やはり具体的な政策実行のレベルになると及ばないと感じざるを得ない。
 日本はこの分野でかなり立ち遅れているが、それはスパイ防止法がないからではない。中国への憎しみのあまり、中国と付き合う企業を懲らしめることを支持する方に世論が向かってしまうが、実際には企業を取り込むのが必要なのだ。アメリカでは企業の知的財産保護などがビジネスになるように、官民の協議体を設置しているなど、かなりの努力を行っている。楽天を例に出すと、携帯事業で若干政府から梯子を外された形にならなければ、テンセントなどに資金援助を依頼せずに済んだのではないだろうか。つまり、資金繰りが苦しくならないように何らかの便益を図れば、中国に頼らなかったのではないか。(最も、好んで中国と付き合おうとした可能性はあるが。)
 個別具体の仕組みの構築については非常に困難を伴うだろうが、法人税控除などの精度で知的財産保護によりインセンティブを与えるのが当面の対策になるだろう。

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