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中国の石炭火力発電所事情(CFACTの記事)

写真出展:S. Hermann & F. RichterによるPixabayからの画像https://pixabay.com/ja/users/pixel2013-2364555/?utm_source=link-attribution&utm_medium=referral&utm_campaign=image&utm_content=3767893

 2022年7月21日にCFACTは、中国とアメリカの石炭火力発電所事情を比較する記事を発表した。内容は、中国が石炭火力発電所の建設を推進していること、一方でアメリカは化石燃料抑制のため、自国を弱体化させていることを指摘するものである。中国のしたたかさと世界のエネルギー事情をよく示した記事になっていることから、今後のエネルギー動向を探る上での参考として本記事の概要を紹介させていただく。

↓リンク先(China’s coal-fired power emissions dominate)
https://www.cfact.org/2022/07/21/chinas-coal-fired-power-emissions-dominate/

1.本記事の内容について
 ・バイデン政権は、二酸化炭素排出削減のため、あらゆる規制をかけている。石炭発電所は閉鎖し、低排出のものであっても建設を認可していない。パイプラインは閉鎖もしくは停止され、油田開発のための国有地等の借用は大幅に規制されている。フラッキングはオゾン層への悪影響から、禁止されるようになっている。
 ・アメリカが自国民を縛り付ける一方、中国は表向きの発言とは裏腹に、二酸化炭素排出を気にすることなく経済発展に邁進している。以下に示す表は、石炭火力発電所の発電量(MW(メガワット))を示したものである。

 この表を見れば、中国の急上昇が圧倒的であることがわかる。2021年現在で約106万MWの発電量になっており、世界の51%相当の能力を有していることがわかる。
 ・対してアメリカは2000年には石炭火力発電所が多かったが、2020年にかけて急速に減少している。過去10年間は特に顕著であり、中国が建造した石炭火力発電所のうち、最も効率的な二酸化炭素低排出型のものは、3分の1しかない。中国の二酸化炭素排出量は、すでにアメリカの2倍超になっている。
 ・アメリカは世界最大級の天然ガス埋蔵量を有しているが、フラッキングを承認しておらず、その資源を十分活用できていない。中国は気候変動を気にせず富国強兵に努めているものの、バイデン政権は自国を弱体化させている。
 
2.本記事読後の感想
  本記事の内容を十分に理解するため、まず、石炭火力発電所の稼働状況を見てみよう。

https://www.carbonbrief.org/mapped-worlds-coal-power-plants/ から引用
  本地図を見れば、アメリカとヨーロッパは停止されている石炭火力発電所が多いが、中国とインドは石炭火力発電所を維持していることがわかる。どちらが賢明かは一目瞭然だろう。また、アメリカやEUは、主張しているほど石炭火力発電所が少ないわけではない。こういった現実を見ると、日本の言論空間がいかに異常かがわかるだろう。  
 中国やインドの排出量は先進国を大幅に凌駕しており、途上国の排出量を削減しなければ無意味なのである。地球温暖化論者は、なぜか中国には文句を言わず、途上国に対する具体的な政策も提案しない。彼らの資金源がどこなのか、動機がどこにあるのかがよくわかる証拠ではないだろうか。
 今回紹介した記事にはデータの出展がいくつか紹介されている。興味がある方は、見てみることをお薦めする。

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