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民主党の社会保障予算がダメな理由(ヘリテージ財団の記事)

写真出展:leo2014によるPixabayからの画像https://pixabay.com/ja/users/leo2014-5181606/?utm_source=link-attribution&utm_medium=referral&utm_campaign=image&utm_content=6208936

 2021年11月2日にヘリテージ財団は、審議中の社会保障予算の改正案に関する記事を発表した。内容は、社会保障予算の計上のための不当な増税や関係のない支出が盛り込まれていることを批判するものである。今回の法案も極左政策満載の予算であり、富裕層優遇から環境政策、差別対策など多岐にわたっている。日本のマスコミでは好意的に取り上げられてその実態が分からなくなる可能性が高いことから、本記事の概要を紹介させていただく。

↓リンク先(9 Examples That Show Why Democrats’ Revised Spending Bill Is Still Awful)
https://www.heritage.org/budget-and-spending/commentary/9-examples-show-why-democrats-revised-spending-bill-still-awful

1.本記事の内容について
 ・10月28日に、下院民主党は最新の社会保障予算の修正案を発表した。1684ページにも及ぶ浩瀚な予算案であり、数兆円の課税と支出を伴う史上最大級のものになっている。急進派のサンダース上院議員は妥協案であると主張しているが、内容は連邦政府の支配を強化し、各種左翼政策を推進し、経済成長を抑制し、税金を無駄遣いするものである。問題点は、以下の9項目である。

  ① インフレを加速させる予算
   今回の予算は1.75兆ドルが計上されていると言われているが、正確な数値はまだ確定していない。重要な事業は1年から数年以内に満了し、一部は1年で終了となるが、財源は数年間に渡る増税により賄われる。全ての事業が終了したとしても、増税は数年に渡って継続されるのであり、最初の数年は大幅な財政赤字拡大となる。
税金を回収せずに支出を推進すると、インフレを加速させることになり、一般家庭の日用品などへの支出の負担が増加することになる。

  ② 不法移民の亡命支援
   極左は不法移民の亡命支援を最優先事項として掲げてきたが、今回の予算を不法移民支援の裏ワザとして使おうとしている。本予算に不適切な亡命支援の条項を盛り込もうとしたが、上院では2回拒否された。ただ極左は移民法案の改正が難しいと見て3度目の正直で何とか本法案に不法移民を優遇する条項を入れ込もうとしており、法の支配を顧みない姿勢が見られる。

  ③ 大学における「環境正義」への大規模予算
   修正案策定の過程で多くの事業が削除されたが、100億ドルを大学における「環境正義」へ投入するセクション136601は生き残った。学生が環境について学ぶことそれ自体は問題ないが、本予算案には極左的環境イデオロギーを叩きこんで新たな手兵を育成するような内容になっており、到底容認できない。

  ④ 富裕層優遇
   本法案には電気自動車購入の優遇税制が含まれており、所得が年80万ドルまで、価格が7万4000ドルまでの電気自動車に適用されることになっている。購買層はほぼ富裕層に限られていることから、実質的には富裕層優遇政策である。
 
 ⑤ 歳入庁の権限強化
  極左は警察への予算削減には熱心であるが、税金警察だけは例外のようだ。本法案には徴税強化のため、歳入庁に790憶ドルの予算を計上しようとしている。これは歳入庁の6年分の予算相当であり、財務省の裏金としても使用できるような仕組みになっている。
  歳入庁は十分機能しており、2020年度の税収は4兆ドルであり、適正に支出していれば財政は持続可能な者になる。

 ⑥ 反民族差別事業予算の倍増
  修正案では、反民族差別事業予算が倍増しており、5000万ドルが計上されることになった。ただこの事業は極左の協議を叩きこむための研修である。
 
 ⑦ 「木の平等」に数十億ドルを計上
  セクション11003は、国家の植樹事業に25億ドルの予算を計上している。しかし都市部に不当に多くの予算が割かれており、1本あたりの植樹による環境への利益が低くなっている。しかも極左に融和的な団体への資金提供であり、これも縁故主義の最たる例である。

 ⑧ 公営住宅に数十億ドルを計上
  公営住宅の推進により、画一的な見てくれの悪いコンクリート造の建物が増えてしまったが、これは20世紀の最大の失敗である。しかしこの悪しき慣習が本予算案で復活しており、政治活動団体と見まがう団体へも資金が投入されようとしている。

 ⑨ 蜂、イガイ、絶滅危惧種の魚に数百万ドルを計上
  4つのセクションにて、蜂、イガイ、絶滅危惧種の魚の保護に485万ドルが計上されている。これは共和党のグリハルバ下院議員のスタンドプレーであり、こういった不当な優遇政策がひそかに盛り込まれているのである。

2.本記事読後の感想
  次から次へとよくこんな予算案が出てくるものである。昨年度のイノベーション及び競争法や3.5兆ドル予算などに代表されるように、極左政策が満載である。巨額の財政支出そのものは歓迎できるが、その内容は不適切なものが多く、格差拡大や不当な利益誘導が促進されるものばかりである。
  自由を標榜してきたアメリカの変貌ぶりは目に余るものであり、このような法案が常態化すれば、長期的な経済的凋落は避けられないだろう。
  奇しくも岸田政権が新しい資本主義と言って、社会主義とほぼ変わらないような政策を推進しようとしている。子どもに一律10万円を給付するといった政策が歓迎されているようだがこれは全くもって間違っており、初めに給付しておいて増税を正当化する布石であると見るのが的確である。国民が意識するべきは、どんなに自分に利益がある政策であっても、政府や官僚が恩を与えるような形になっている政策を拒絶することである。経済政策において政府がするべきはまずは減税や社会保険料の減免、規制緩和などであり、国民に課している制限を取り除くことが礼儀である。その上で国債を財源として財政政策を行うことが重要であり、決して税金と財政支出を相殺してはならない。財務省をのさばらしていると、あらゆる支出や減税が増税の根拠にされてしまうことから、国民の意識を変革し、歳出の純増、適切な予算計上などを求めていくべきだろう。

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