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COP28は化石燃料の貿易ショーである(CFACTの記事)

 2023年12月7日にCFACTは、COP28を批判する記事を発表した。内容は、COP28が化石燃料産業のビジネス交渉の場として利用されており、気候変動対策の議論が重視されていない現状を指摘するものである。日本では相変わらず気候変動対策としてのCOP28ばかりが宣伝されているが、これは悪質なプロパガンダであり、このような情報を鵜呑みにするとエネルギーを巡る現状を見誤ることになる。現実的なエネルギー政策を考えるための参考として、本記事の概要を紹介させていただく。

↓リンク先(COP 28 is a really big fossil fuel trade show)
https://www.cfact.org/2023/12/07/cop-28-is-a-really-big-fossil-fuel-trade-show/

1.本記事の内容について
 ・COP28は本来二酸化炭素排出削減を議論する場だったはずだが、今年の会合は二酸化炭素の貿易交渉の場に成り下がったようである。参加者は昨年から2倍増の10万人以上となったが、気候変動の条約に関する交渉は1%の参加者のみで行われており、その他99%の参加者(ほとんどが民間企業等)は、ビジネス交渉に勤しんでいるのである。
 ・気候変動対策関係者は、COPが貿易交渉ばかりになっていると不満を述べているが、化石燃料産業は巨大な成長産業であり、エネルギー政策の担当者と意見交換をする格好の場であり、各国も貿易交渉官を多数派遣しているのである。例えばナイジェリアは1,411名も派遣しており、422名は政府もしくは公的機関からの出席者であり、989名は民間企業からの出席者である。ケニヤ、タンザニア、モロッコなどのエネルギー資源が豊富な国々も多くの参加者を派遣しており、これが世界の現実なのである。
 ・報道では気候変動対策についての議論がメインであるかのように語られているが、実際の雰囲気としてはビジネス交渉がメインとなっている。また交渉用のブースも多数設けられており、公式のものだけでも200以上存在し、開発銀行や貿易担当の政府関係者などが多数関わっている。その他、数千もの非公式のブースや展示も存在している。
 ・会場以外のホテルなどでも数十万の参加者による会合が開かれており、単なるプレゼンテーションからパーティーまで幅広いイベントも催されている。今回のCOPは全く別の意味を持っており、ビジネス交渉の場となっている。化石燃料産業が気候変動対策と銘打ったCOPをそのビジネス推進のために使っているというのは、何とも皮肉なことである。

2.本記事読後の感想
 COPが産油国で開催されているというのは何とも皮肉な話であるが、昨今のエネルギー事情の厳しさのためか、もはや体裁を保つのすら難しくなっているようだ。ユーチューブでもCOPで石油産業の経営者が精力的に活動している現状を紹介する英語ニュースも散見されるようになっており、言論空間が少しずつ地球温暖化の狂気から脱却しつつあるのは明るい兆しである。
ただ日本の貧しい情報空間では、チャールズ国王が日本を気候変動対策のホットスポットとして批判したといったつまらないニュースばかりが報道されており、実態を明らかにする情報は全く出てこない。日本語だけで情報を収集すると頭が悪くなってしまうという典型的な事例と言えよう。
 COPで議論される内容をよく考えればエネルギーや貿易担当の政府関係者が出席するのは当然であり、目ざとい経営者であればビジネスチャンスがあるということぐらいは見抜けるのである。表向きの表題とは別にこういった場をうまく活用して、エネルギー確保に本来はこういった強かな立ち回りこそが重要であるが、日本はただ批判されるばかりで実を取りに行っているようには思えない。

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