DJ karyang エッセイ『セックスと昼寝』Chapter 55「僕はこうやってオンラインDJイベント『舞麗選盤』を成功させた その1」

まだまだ続くコロナ禍騒動・自粛ムード・ステイホーム運動ですが、みなさん如何お過ごしでしょうか。

これまでは仕事以外で外に出て人に会うのは どうしてもDJイベント絡みが多かったのですが、こうなってくるとどこにも行けないし会えないし、そもそも肝心なお店も閉まっていますしね。今はじっと我慢の子供。

で、先月(4月)から『舞麗選盤 BUREI-SENBAN』というDJイベントを始めました。

と、いっても外には出られないし、お店も閉まっている中で どうやったかというとWEB上…つまりオンラインでイベントをやる事を思いついたんですね。要は今話題になってるリモートっていうやつ。

個々の配信という事なら今やスマホ1個あれば誰でも手軽にできるようになりましたので、このステイホームを機にDJ配信に興味を持ち、始めた人もだいぶ増えてきた印象があります。
でもひとりの配信だと心細さもあります。たったひとりのオーディエンスでも自分のプレイを聴いてもらえれば救いがありますが、みんながスッと去っていって視聴者数がゼロになってしまったら「一体 俺は誰のために、何のためにやっているんだ!?」という事にもなりかねない(苦笑)。

そこで複数のDJが連携する事で集客を図れないかと考えたのです。つまりリレー方式によるDJ配信。これなら例えば3人のDJが集ってやれば 少なくとも2人のお客さん(聴いてくれる人)はいるw
でもどうせやるならできるだけ多くの人に聴いてもらいたいし、その楽しさをお互いに共有できたら よりベターですしね。イメージとしては夏の音楽フェスのように、お客さんがステージからステージを移動して楽しむような感じで。

で、僕は実際以下のような流れでオンラインDJイベントを実現しました。

① DJは各自別々の場所から配信。
② 事前にタイムテーブル・配信先(URL)の告知はしているが、配信スタートとほぼ同時にFacebookのイベントページおよび各SNS等にリンク先を投稿・掲載し、素早く情報拡散。
③ そしてイベント終了後は、オンライン打ち上げと称したZoomミーティングでの呑み会を開催。こちらは音楽(DJプレイ)は無しで、DJ以外の人たち(視聴者)も自由に参加・対話できるスタイルに。

これにはいくつかポイントがあるので、ひとつずつ解説していきます。
まず①ですが、みんな自宅にいるので もちろん配信先はバラバラになるわけですが、プラットホームの統一化はあえてしませんでした。ツイキャスを使おうがFacebookのライブ配信を使おうが、それは個人(DJ)の裁量に任せようと。どちらにせよ同じ場所でやっているわけではないので、URLは変わる…つまり「お客様(視聴者)に移動してもらう」という行為(手間)は変わらないので、プラットホームの統一化にはあまり大きな意味やメリットはないのかなと。各DJさんがやりやすいところでやればいい…まぁそれぞれ考え方や、思想・理念・フィロソフィーは異なるかと思いますので。

それでこう思った人もいるはず。
それならZoomミーティングなんかを使って、ひとつの中(URL)で済ませれば ほぼシームレスにできるじゃないかと。

実はこれは僕も実際に試したんです。で、試した上でZoomはDJイベント向きではないなと判断しました。
音声が双方向で繋がってしまうと、例えば周り(オーディエンス)がおしゃべりを始めちゃうとマイクが拾った音に引っ張られちゃってDJの音(音楽)がほとんど聴こえなくなってしまうのですよ。
じゃあミュート機能を使えばいいじゃないかと。聴き手(オーディエンス)は皆マイクをミュートにして聴けばその問題は物理的には解消できる。

でも僕はその方法を選択しませんでした。
僕はそんな事、到底できないと思いました。せっかくわざわざ貴重な時間を割いて来てくれたのに「すみませんが、ここに来たらDJのためにマイクをミュートにしてくれませんか?」とは言えないですよ。
だってそれを実イベントに置き換えて考えてみてください。
会場に上がるのに靴を脱いで下駄箱に入れてください程度の事ならいいですが
「これからDJが始まるので、おしゃべりをしないで ずーっと黙って じっくりと音楽を聴いていてください」
なんて言えますか?w つまり「ミュートの強要」もこれと同じ事だと、僕は感じたんです。

例えばこれがプロがやっていて、お金を払って観に聴きに行くという興行なら話は別です。公演中のコンサート会場や上映中の映画館でペチャクチャおしゃべりする人なんかいないですからね。マナーとして。
でもうちらが趣味でやっているDJイベントはそういうものではないと思ったので。これが僕がZoomミーティングでDJイベントをやらなかった理由です。

でも このシステムは上記の③で活かされたわけで。
今回はここまで。次回は②以降のお話をしていきますね。

【続く】

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