DJ karyang エッセイ『セックスと昼寝』Chapter 58「僕はこうやってオンラインDJイベント『舞麗選盤』を成功させた その4《総括》」

3回に渡ってオンラインDJイベント『舞麗選盤』を如何にして実現してきたかというお話をして参りました。

で、その締めくくりとして総括と今後の展望の話を。

何故この舞麗選盤をやろうと思ったのか…別に自分が回してそれをみんなに聴いてもらいたいというだけなら配信はたったひとりでいつでもできます。実際 僕はかなり前からそうした形でやってきましたし。
でも今回こういう形でやりたいと思ったのにはまず

僕の周りにはこんなにスゴイDJがいるんだぜ

というのをみなさんに是非とも知ってもらいたかったというのが一番大きな理由です。
先程 配信ならひとりでできると言いましたが、やはり広く不特定多数の人たちにも聴いてもらうためには 相互シェア等の仲間たちによる連携・助力が不可欠になってきます。どうせやるならたくさんの人たちの目に、耳に触れてもらいたいじゃないですかぁ。そしてそこから発生する新たな出会いや気付き…そういった実現場で普通に行われているような事をWEB上でやってみたかったと。いわば実験場ですね。
それがきっかけで 送り手も聴き手も今後の活動・行動の幅が広がってもらえれば なおの事良いかなと。

それと前回もちょこっと触れましたが、このコロナ禍騒動を機に世界は確実に変わっていきます。ネクストステージへのシフトは本来なら一朝一夕にできるものではありません。でも このピンチをチャンスと捉える事ができたら…その「新しい価値観」への扉は開きやすくなると思うのです。

そこでまず捨てなくてはいけないのは

DJイベントはこうでなくてはならないという慣習(思い込み)

それと

美しい過去に固執してはならない

という事かと。

もうかつての馬鹿騒ぎは今後通用しなくなってきます。
それでもなおDJを続けていきたいのなら、その方法を、生き方を模索し変えていかなければならない。そして その覚悟があなたにはあるのかという事が問われてきます。

こうなってくると何も実店舗でのイベントだけがフロアではなくなってくる。
つまり「お前が求めるフロアはどこにあるのだ」と。

音楽は、フロアは、聴き手の心の中にあるものだと、僕は信じています。
実現場にわざわざ足を運んでくれる方も、ネット上で見て聴いてくださる方も、僕の中では一緒です。だって大切な時間を割いてお付き合い頂いているという点では何ら変わりはないですから。

今後コロナが収束しようがしまいが 僕はこの『舞麗選盤』を定期的に継続していくつもりです。
でないと、やった意味がなくなってしまうので。
「ああ、コロナが終わったから もうやめちゃうんだ」とか「もう実店舗で回せるようになったら そっちの方が楽しいからネット配信はいらないよね」ではいけないと。

もちろんこの騒ぎが収まる事を願っておりますが、それだけで今まで通りの日常が戻ってくるわけではありません。

「忘れるな」

これが僕のテーマです。

戦争を

震災を

9.11を

そしてコロナを

映画監督の岡本喜八は そのフィルモグラフィーのほとんどが何らかの形で戦争(太平洋戦争)について言及しています。
確かに平和になった。経済的に豊かになった。日本は世界で通用する大国になった。
でも 戦前戦中にあった大切なものも同時に置き忘れていってしまってはいないのか…岡本監督は作品を通して そんなメッセージを刻んでいたように思えます。

だから僕らも「新しい価値観」を迎えるにあたって変わって行かなくてはならないし、変わってはいけないものもある事を自分自身で決めて判断していく必要があるのかと。

その第一歩が『舞麗選盤』というアクションだと思って頂いて結構です。

で、また6月も3回目を実施する予定でおります。

僕と一緒にネクストステージの扉を開いて、今後も楽しんで頂ければ幸いです。

【了】

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