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「山女日記」を読みました📖

湊かなえさん「山女日記」を読んだので、個人の感想をまとめたいと思います。

湊かなえさんと言えば、私の中では映画「告白」、TVドラマ「夜行観覧車」の2つが印象に残っています。誰もが持っている人間の怖い部分を見せつけられ、面白いのだけど、後味がなんともいえない・・・というイメージ。
「山女日記」は、登山YouTuberかほさんの動画で知りました。
「一体山でどんな怖いことが……?!」と思ったものの、どうやら私のイメージとは異なる内容だと知り、読んでみることにしました。

私が期待していた、楽しみにしていたのは、やっぱり山の風景描写であったり、登場人物がどんな気持ちで登るのかだったり(ツライ急登とか、お花畑とか・・・)が主でした。
いうなれば、山と渓谷の小説版みたいなイメージで読み始めました。

ですが、読み終わって印象深いのは、登場人物それぞれが心に抱えているものにどう向き合うのか、あとは人間関係でした。
特に、「槍ヶ岳」の話は「分かるかも」と思う部分が多くて、読みながらもどかしくなってしまいました。
特に、「気が付くと、最初から自分一人の力で登れていたような気分になり~」のところ。自分もそういうところあるよな・・・と。
他にも、全てが当てはまる!というところはなくても、「あぁそうだよね・・・」とかチクチクと刺さる言葉があって、きっとそれはどんな人でも同じなのではないかなーと思いました。

もう1つは“人間関係”。
お話の中では登場人物を取り巻く人間関係がいろいろ出てくるのですが、どれも「お互いのこと全部受け入れてる!」みたいな関係ではなくて、歪な部分や擦れ違ってる部分がありつつも、現在の関係を作り上げているところがリアルでいいなぁと感じました。
どうしたって他人なんだから、わかり合えない部分や受け入れられない部分があるのは当然で、でもそれぞれの価値観は尊重しつつ、わかり合える割合を増やしていこうよ、みたいな。

私自身が登山を始めた当初(といってもまだまだ浅いですが)は、長い道のりをもくもくと歩く時間を持て余し気味でした。
でも、この本の登場人物もそうであるように、ただ登っている時間って、結構自分自身と向き合ってたりするよな、と最近思うようになりました。

山女日記、続編も出ているようなので、読んでみたいと思います。

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