掲げろ反逆の旗を!~キツネ達の物語を読んで感想記~/物理書籍Wスレイヤーコン
(チャカポコチャカポコ)
<ニンジャ放送 ニンジャ放送 NSQR こちらはニンジャ放送です>
<奥ゆかしい音楽とか波の音とかなんかそういうのが流れる>
ハイスクール時代。平日、深夜。
光あれ。隠れるように明かりを消した部屋で、布団を被り灯したラジオ周波数の光には、得も言われぬパワがあった。
この光を見ているのは自分だけではない。
どこかの誰かも、ただ一つ明滅する周波数の光を、おなじ時間、おなじ気持ちで見つめ、耳を澄ましている。
聞こえてくるのはラジオDJの軽快な声とポップサウンド。
気持ちが乗ったグルービーな音楽や、どこかの誰かの想いが乗ったメッセージを、全てのリスナーにデリヴァリー。
自分一人だけの部屋だというのに、ラジオから流れ来る音楽には奇妙なまでの一体感を感じられたものだ。
今ではツイッタアーや顔な本、🐘が溢れ、情報のやり取りで繋がりを感じるなどチャメシ・インシデントなことだろう。
だが、より高度に、よりクリアに、より多くの情報を得られるような技術が普遍化した今になっても、あのラジオ電波の温かみを再現することはできはしない。
ラジオの電波には、パワがある。
<音楽がフェードアウトしたりして、なんか声がクリアになる>
と、何やらラジオっぽい紹介から入ろうと思いつつも、
「ニンジャスレイヤー ロンゲスト・デイ・オブ・アマクダリ(上)」に収録されたエピソードンの
「レイズ・ザ・フラッグ・オブ・ヘイトレッド 後編」の力強さには遠く及ばないもので。
いやはや、どう紹介したらいいものか悩みに悩むところです。
後編だけあってネタバレ防止するためにあらすじ書くのも難しい。
エッ?
じゃあなんて(上)の中で、さらに(後編)って書いてある話を紹介かって?
【 そんなことは、気にすんな! 】
そんな小さい事が気にならなくなるぐらい、このエピソードンは奥が深く、力強く、心を鷲掴みにしてくれるんだ!
仲間達との絆、親子の愛、システムへの怒り、理不尽への反逆、リスナーとの一体感。
DJゼン・ストーム、ヒナヤ・イケル・タニグチとDJニスイが贈る、たった一夜の怒りと憎悪と優しさと未来への革命レイディオ!
彼らの生き様を、想いを知ってしまったら、それを受け継がずにはいられない!
後編がなんだ!どうしても、この話を、紹介したかったんだ!
ふぅ。
胸が締め付けられるような圧迫感と、あらゆる理不尽を乗り越えようとする力強さ。
流れ続けるラジオ電波に心が揺らめき、読了後にはきっと誰もが、空高く、キツネサインを掲げてしまうことでしょう。
奇妙なまでの一体感。
まるであの時聞いたラジオ放送のような、色あせる事のない一体感が、このエピソードンにはあるのです。
ラジオの電波には、パワがある。
ラジオの電波には、楽しさも喜びも、悲しみも、怒りも、全てが乗っている。
まだ読んでいない人は、一緒にこの一体感を感じてみませんか?
まだ前編も読んでいないというのなら……
「ニンジャスレイヤー リフォージング・ザ・ヘイトレッド」を
決断的に購入だ!
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