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「本の読める場所を求めて」を読んだ

外出自粛期間中、いろいろと応援したい人たち向けのクラウドファンディングに参加したけど、そのうち一つの宛先がfuzkueだった。そんなフヅクエのお店の作り方の本が出ていたと知り、今朝買って1日で読み終えた。

この本はなんとなく紙で手に入れたくて、わざわざ駅前まで足を運んで買ったのであった。よくある街の書店では扱っていないことも多く、頑張って探して見つけた。買って早速、本屋の向かいにあるチェーン店でコーヒーを飲みつつ読み始めた。最近引っ越したばかりであまり街のことをまだ知らないのだけど、祝日の朝のそのお店は、わたしに限らず一人でじっと本を読んでいる人が多くて居心地が良かった。でもこの空気感は賭けで得られたもので、もしかするとランチを友人と食べながら会話したい人がいるかもしれないお店でもあった。そうではないお店を作ろうとした思考の過程がこの本に書かれている。

「本を読んでいる人の姿は美しい。」という一文からこの本は始まる。読書好きの人が語る読書の話はいつでもワクワクする。「読書」と言っても幅が広くて、ビジネス書を斜め読みする人もいるし、エッセイを読む人も哲学書を読む人も、みんな読書なのである。そしてわたしも雑食で、エッセイばかり読みたくなる日もあれば、小説の世界にどっぷり浸りたくなる日もある。ただどちらの場合も、静かに一人でいることを許される必要がある。一度友人と図書館に行って、それぞれが黙々と本を読むという時間の過ごし方をしたことがあり、個人的にはすごく満足度が高かったのだけど、その友人はそうでもない様子で申し訳なさを感じた記憶がある。読書というのは個人的な行為だけど、同じ行為を好む人がいることを知ることは、他の趣味と同じく嬉しいものである。ここまでその趣味のために力と思索を使っている人がいること、それを世に言葉で伝えてもらえることは贅沢だなと思いながら一人で家で黙々と読み切った。

実はフヅクエには一度しか行ったことがなく、「読書の日記」を「会話のない読書会」で読むという企画への参加だけである。せっかく「いつかフヅクエに行く券」を買ったので、近々行きたいなぁと思いながら、「いつか」をいつ使うのが幸福度が高まるのか考えながら過ごしている。


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