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二黒土星の特長

二黒土星の宿命

自然界の象意は「大地」で、季節は晩夏から初秋、時刻は一時~五時。母なる大地ともいうように、二黒土星は母親であり、人体では腸を意味する。
 あらゆる食べ物を受け入れて消化してしまう腸の強さ、忍耐力、従順さなどを秘めており、九星の中ではもっとも人間的な星であるといっていい。

   母になる前は、妻として夫に従い、子供を産んで母となってからも、つねに夫や子供に尽くして、喜びも悲しみも夫や子供と一緒に味わうことから、通称『従い星』ともいっている。

  従い星である以上、会社などの組織にあってはナンバー2に徹することが、自己の能力を最大限に発揮することだと考えていただきたい。

 どんな組織であれ、トップにはつねに決断力や変わり身の早さといったものが要求される。しかし、受け身体質の二黒土星がトップになると、責任感だけを重視した行動が多くなり、部下に責任を取らせることができずに、自分で責任をとってしまいがちである。

 これでは、企業や組織はいつ崩壊してもおかしくない。トップやボスは、つねに全体に気を配り、いかに組織を安全に運営するかを考える立場にいる。そのトップの危機に体をはれるのが、この補佐役の星である二黒土星なのだ。

  実際、トップよりも能力や信頼感のある人が多いが、それは、補佐役として徹しているからで、自分がトップに立ってしまうと、そうした長所が死んでしまうので、野望は抱かないほうがいいだろう。

 晩年運だけに、忍耐強くコツコツと努力を積み重ねることが運命を開くことになる。自分で事業を起こすのは、よほど大きな裏付けがないかぎり、まず失敗す るものと覚悟することが必要である。つまり、この星は一攫千金を狙っても成功する可能性は少ないからである。

二黒土星の性格

 内に秘めたエネルギーは強烈で、しかも、ふつうの人なら耐えられないような苦難の道を黙々と歩み続けるしぶとさは、素晴らしいものがある。また、自分が置かれた環境に順応する能力にも目を見張らされるものがある。

 しかし、受け身体質なので自主性や積極性に欠けるのは否定できない。そのため、いつも周囲から尻をたたかれないと、つい努力を怠ってしまいがちである。 怠け心は人一倍あり、反対に自分の気に入ったことになると、仕事も大事な要件もコロッと忘れて没頭してしまうから始末が悪い。

 したがって、強い相手にグイグイ引っ張ってもらったり、過酷な状況に追い込まれないと、その驚異的な粘りや忍耐力を発揮できないのが玉にキズでもある。

 また、男性の場合は「母」という象意から親に通じて、父親という六白金星の特質を裏に持つことになるため、プライドや威厳が保てなくなると自殺に走る例 もある。従い星の意味をよく考え、若くして一挙に成功しようなどという野心を起こさない方が無難だと言っていい。

 温厚で人当たりもいいが、酒にはくれぐれも注意してほしい。日頃、抑えつけている感情がアルコールの勢いで一気に爆発することがある。いままで、それほ ど酒を飲まなかった人が、毎日のように酒を飲みだすと、酒乱になると思って間違いない。酒で人生を狂わせるケースのもっとも多いのが二黒土星だと心得てお くことだ。

二黒土星の恋愛とセックス

 二黒土星は、生活密着型の現実派である。そのため、恋愛でも精神的な喜びや充実よりも肉体的な満足感を重視するタイプである。そんな二黒土星の恋をひとことで言えば、ずばり『肉体の恋』となる。

 もともと好みのタイプにこだわる性格ではなく、セックスをした相手が好みのタイプになるのが二黒土星の特徴だ。だから、極端な例をあげれば、二黒土星の 女性は嫌いな男であっても、いったんセックスをすると、どういうわけか、その男を好きになってしまうのである。つまり、肉体関係を結んだ相手が自分のタイ プになるわけだ。

 二黒土星の女性は、自分を選んでくれたということに対して、誇りや喜びを非常に強く感じるから、「私をそれほど求めてくれてうれしい」となり、選んでく れた相手に身も心も捧げてしまうのである。二黒土星の女性が「私の好きなタイプは背が高くて、優しくて・・・」などと思っているのは錯覚で、自分を求めら れた時にタイプが決まるのである。要するにセックスという肉体関係を結ばないかぎり、本当に好きな人はわからないということになる。

 このように、精神的な結びつきよりも肉体的な結びつきが二黒土星の恋愛を左右するため、『肉体の恋』と名づけたのだ。

 二黒土星の男性は、女性に対してサービス精神が旺盛で、時として、美女につかえる騎士の如く振る舞う。女性としては決して悪い気はしないから、容姿を抜きにしてモテるのがこの星である。

 細かい点についても実によく気がつくので便利なのだが、便利すぎるというのも考えものである。自分の言うことを何でも聞いてくれるので最初のうちは満足 しているが、そのうち「男のくせにそんなことまでして・・・」と思うようになる。既成概念としての『男』を当てはめてしまうと、今後は不満になってしま う。

 したがって、つきあいが長くなると相手の女性は、二黒土星の男性を少々うるさく感じることもある。だから、二黒土星の男性には『過ぎたるは及ばざるが如し』という言葉をよく噛みしめてほしい。

 また、『一に押し二に押し』というエネルギーの強さからセックスを求める二黒土星は、性欲を発散させずに抑えてしまうと、すべてが悪循環となることがあるので気をつけたほうがいい。特に男性に、その傾向が顕著にあらわれる。

 しかし、年老いても精力が衰えることがないので、相手次第では、壮年期に入っても充実した夫婦生活を送ることができるだろう。

 二黒土星は男女とも、相手に合わせようとする順応性が強いため、結婚に失敗することが比較的少ない星といっていい。独身の女性は、あちこちフラフラと遊 び歩くことが多いが、結婚して子供を産み母となると素晴らしい強さを発揮する。妻として母として、その役割を立派にこなすので、二黒土星の女性と結婚した ら、すぐ子供を作ることだ。

 しかし、情に流されやすい傾向もあり、しばしば愛情がらみのトラブルに巻き込まれることもある。不倫や三角関係の泥沼にはまって身動きがとれなくなるという経験は、二黒土星の男性だったら一度や二度はあるにちがいない。

 ただし、危機に直面すると周囲を見極め、慎重に物事を判断する性格から、『思い込んだら命がけ』といった盲目的な恋には発展しない。たとえ、愛している 女性から「一緒に死んで」と迫られたとしても、実際にはそうした大胆な行動をとることはまずないだろう。小心者や弱気者というわけで
はないが、灼熱の恋に 身をこがすような恋は、はなから求めないタイプなのだ。

 常に現実をみつめ、夢やロマンだけを追い求めることはしないのが二黒土星の最大の特徴なのである。

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