発達臨床心理学小レポート

1) 学習困難がおこる要因にはどのようなものがあるか
・学ぶための姿勢の獲得
 学習意欲に関連した、学校などの決まりを守る、自分の間違いを受けれる、反復練習を行うなどが挙げられる。
・注意集中障害
 学習行動における注意欠如によっておきるケアレスミスなどだけでなく、知識や情報が少ない、勉強に取り組む時間が短い、勉強道具の管理が難しいなどの学習の基本的技能に影響を及ぼすだけでなく基本的技法習得にも支障をきたす。
・強調運動・筋緊張の問題・眼球運動
 学習するためには、基本的な身体機能(筆記具を持つ、文字を目で追う等)も必要とされるが、身体が連動せずにバラバラで動いたり、筋緊張の低下で姿勢が崩れてしまうなどの問題が挙げられる。
・全般的な知的発達障害
 平均によってだされた各年齢の学習習得段階などに照らし合わせて、著しく劣っている子などは対応されてきたが、軽度やボーダーラインの子ははっきりと目立たないため等から対応が遅れていしまっている。
・特定の認知障害による学習の基本的技能の障害
 識字障害などの読み書きだけできない、計算だけができないなど、特定の学習のみに障害が認められる。
2) 発達性ディスレクシアとはどのような障害か
 音韻障害、特異的会話構音障害など、文字から音韻への変換が困難な障害が発達性ディクレシアであり、国際ディクレシア協会では「正確かつ/または流暢な単語認識の困難さであり、綴りおよびコーディング(文字記号の音声化)能力の弱さである」と定義されている。
 ただし、上記は発達性ディクレシアの一部であり、書字表出障害も同じような症状がみられる。
 発達性ディクレシアは、学習障害の観点や言語障害の観点など様々な視点からの対応が必要とされる。
3) 学習障害の診断のためにはどのようなことが必要か
 環境や情緒障害や感覚器の機能異常ではなく、全般的知的能力の低下ではないかと言われている。そのため、十分な学習の機会と学習課題が与えられているかの確認、五体・五感などの機能確認、WISCなどの知能検査などは必須である。
 しかし、現段階では暫定的な診断であるため、児童知能検査は複数のテストバッテリーと組み合わせる、脳の機能を調べるために眼球運動のテストや強調運動のテストも導入も考えられている。
 また、診断のため一定基準のラインは必要とされるが、軽度やボーダーの援助も必要とされるので、そのことも踏まえて診断基準の作成を行ってもらいたい。
4) 対応について大切なこと
 病院などの専門機関で困難とされる問題点の発見・改善方法を模索し、改善に向けてのトレーニングをしつつ、通常学級で日常生活に支障が出にくいように配慮してもらいつつのリハビリが必要ではないかと思われる。